ピアノを弾く人も弾かない人も読んだ人全員が、軽快で、そして柔らかなワルツの世界に入り込む。ふわふわの雲の上なのか、お花畑なのか、はたまた森の中なのか。自然とワルツの調和が素晴らしい作品です。
電子ピアノを弾く少女の想いが、「花のワルツ」のリズムに乗ってきらりきらりとこぼれ出す。そんなシーンを、丁寧に描いた作品です。最初は穏やかに、だんだん盛り上がって。曲の展開に沿うように。奏でる音によって、彼女の世界が色とりどりに染め上げられていく様子が、まるで絵本のように鮮やかに目に浮かびました。どこか幻想的ですらある柔らかい語り。読み終わった後は、夢を見終わったように温かい気持ちになるでしょう!