反対世界の平行線
ミルクラウン
第1話 卒業式
「…回目の卒業式を終わります」
視界をにじませながら今日と言う日を迎え三年間の中学校生活が終わる。
あっけないようで長すぎた三年間だった。
これから高校に行くのだと実感もわかないで時間が過ぎた。
教室に戻り先生の話を聞き友人らと語り合い桜の校舎を後にした。
今夜は家族が卒業祝いと少し高めのレストランへと連れて行ってくれるらしい。
帰りの車の中でそう聞いた。
卒業祝いのプレゼントと後輩から貰った色紙を見つめながら揺れる。
すると、隣にいた妹がそばによってきた。
「ねぇ、その色紙見せて」
まだ中学生の妹がにこにこ笑いながらねだる。
昔からなぜか妹には弱く二つ返事で差し出された手に色紙を乗せた。
「お兄ちゃんって慕われてたんだね、さすが部長」
後輩たちが書いた熱いメッセージを読みながらそんなことを言う。
「俺は人望が厚いんだ、実は」
少し誇らしげにしながらそう言った。
「えー?脅してたんじゃないの?」
びっくりしたようなおどけたような顔をして妹が言った。
一体俺をどんな人物だと思っているのだろうか。
そうやって軽口を叩いていると目的地へと着いたらしい。
母は楽しげに笑っている。
俺は思ったよりも高そうな外観に少し怯えている。
それを見て妹が笑った。
食事も美味しかった、こんなに贅沢していいのかってくらい幸せだった。
だから高校生になっても普通に平凡な生活を遅れると信じてやまなかった。
今日までは
反対世界の平行線 ミルクラウン @maronRate
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。反対世界の平行線の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます