心、つくし
緩やかに
柔らかくなっていく風と
たおやかに
空に詩を書く土筆
あらゆる物が
白に還っていった季節は
終りを告げ
新たな詩句が
唄を奏でる
世は
順風が流れ
彩り華やかに
揺れている
瑠璃色の空に走る玲瓏
仄かに霞かかった空は
秋の空とよく似ていて
梅の残り香が消えて久しく
桜の蕾が恥ずかしげに顔を出す今日この頃
白に還っていった貴方を思う
この春を
私は
楽しんで いいのだろうか?
雪に隠されていた鳥たちの住み処が
洗い流され あらわに表れ
小鳥は唄を歌っている
春を喜ぶ唄なのか
それとも
弔辞の唄なのか
わからなくて
私の中の土筆が
揺れている
春の詩集 ねことバス @nekoneko10
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