第35句 ラッキービースト《辞世の句》


アナテタシ イト楽シケリ 三人ノ ウツツ望ミテ 映ス未来ヲ


・ー・ー・ー・ー・ー・


伝えたいけど、話せない事がある。


助けたいけど、出来ない事がある。


けものたちは、砂星に言の葉を乗せて。


ならば彼等は、何を想うのか。


ヒトの緊急時にのみ、フレンズへの干渉が許されていると言うのなら。


「楽シカッタヨ」の言の葉は、きっと本当は許されない。


最期の、ひとひらの、我儘わがまま


光る緑の両の目が、二人を未来へ導いたというのなら。


大火にひとり囲まれながら、彼は何を映したのだろう。


映る影に、自分はいない。


ならばあの時。


きっと側には、二人の影。


想い出を映す、光る涙。




この辞世の句で、物語も終わる。


またいつか、次の物語で。



〜はいくフレンズ


【終】

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