今日でこれについては、終わると信じていた。

【前回までのあらすじ】

 自立支援受給者証の更新をする際に診断書が必要だという事をすっかり失念していた幽冥牢彦ゆめろうひこ。先月はその為に更新手続きが出来なかった。

 本日は定期健診の後にそれを頂いて市役所へ直行し、鮮やかに手続きを済ませて帰宅出来ると、今朝は信じていた。

(障碍者手帳の更新も済ませ、帰って寝るんだ!)

と、心に誓っていた。


 が、市役所の窓口の方の先制攻撃!


「幽冥牢彦さん、あの、障碍者手帳の更新にはその為の診断書が必要なんです」


 この瞬間、幽冥牢彦のかなり多くの毛根がストレスで死に絶えたと思う。

 確か先月のお話では、

『障碍者手帳更新の為の診断書があれば、両方の更新が可能だ』

と聞いた様な気がするので、つまり手違いだったとしてもそちらを申請しておけば、今年のうつ病関係の書類作業は本日で完了していたかもしれない、という訳だ。


 窓口から病院へ電話でその旨を説明してもらい、申請に必要な書類を受け取ってバスで中継地点まで戻る。そこまでしかバスで行けないからだ。

 そして雨の中、傘を差して、午前中に向かった病院へ。用事が済んだ場所へ同じ日に再来するのって、滅茶苦茶疲弊する。何故ならおでかけなどではなく、用事だからだ。

 幽冥牢彦は過去の自分を呪った。


 窓口で説明と申請を済ませ、帰宅がてら、処方箋を薬局へ提出し、待つ。

 朝方、時間がなくて朝食を取れず、豆乳を一杯飲んだだけの幽冥牢彦はもうくたくただった。

 うつ病は時として正直だ。拭っても拭っても汗が額を流れて来る。これは不快感で身体を無理にでも休ませようとするシステムのひとつらしい。

 正直、たまったものではない。

 ハンカチでひたすら、拭い続け、やっと自分の順番。


 更なる帰宅途中、何かを買うつもりで入ったコンビニで幽冥牢彦は、『コミック快楽〇』とは少し異なる方向性の成年コミック誌『コミックホットミル〇』の最新号を見止めた。

 指先がチリチリする。

 口の中はカラカラだ。

 眼の奥が(割愛)。


 購入し、コンビニを出た幽冥牢彦は、少しだけ心が潤った気がしたのだった。


 来月こそは、更新を―

 

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