みんな、聞いてくれ! 『危ない〇8号』には5巻が存在したんだよ!!

【前回までのあらすじ】

 つい先日、何気なく90年代半ばから後半までのサブカルチャーブームの中で危険物として発売された『危ない〇8号』という雑誌(先輩格の雑誌に『危ない〇号』という雑誌が存在する)の行方について、それとなく調べていた幽冥牢ゆめろう

 内容は所謂知識系ムックである。上記にも書いた通り、様々なジャンルの専門家、専門にしているライターさんが集まって出した本で目次の辺りに

『この本に書いてある事を実行したら人が死んだり、二度と治らない重傷を負ったりと、色々取り返しのつかない沙汰を引き起こす可能性がある。

 あくまで知識本として楽しむに留めろ。くれぐれも実行するな』(大意)

と書かれていたのが懐かしい。およそ20年ほど前の本である。一時期流行った『完全〇殺マニュアル』よりは後の時期に発売されたシリーズだ。

 残念ながら交番に爆弾だかを投げ込んだ阿呆が当時登場し、そいつが参考図書としてこれを挙げただか押収されただかでその煽りを食らってシリーズは刊行停止、有害指定も食らって、ネットで買えればマシな方、という立場に追いやられてしまった。

 所々うろ覚えなのは、

『せっかく楽しく読んでいたのにそういうアレな奴のせいで廃刊になったショックだろう』

と今では受け止めている。

 こういう本のありがたい所は、過去の実例や事故の例、実験例(マッド系実験大好き科学者のく〇れさんをご存知の方もおられよう。彼も編集兼ライターさんだったはずだ)などを挙げ、

『この知識を用いたらまあ、こういう結果も招くのですよ』

という事を具体的に書いてくれる事で仮想体験が出来る、という点にある。

 例えば復讐をテーマにしている号では、社会的抹殺から具体的な抹殺方法までをフォローして書き出してくれる事で、己の知識以上の結果をイメージ出来る事で、実行しなくても知識を得た事での満足感が得られるという次第だ。

『ミステリーを読んで探偵役の活躍を楽しんだり、サスペンスで壮絶な結末に打ちのめされるおかげで、現実でやらかさずに済んでいるぜフヘへ』

という場合とほぼ同じだ。

 そういうユニークさを受け止められなかった者がやらかして廃刊に追い込んだとも言えるのだが、その後、近いポジションの雑誌(『〇ON!』とか)は全てアウトロー系の雑誌になってしまった。コンビニとかで分厚い特集雑誌があるでしょう? 

『怖い~』

とか

『暗黒~』

とかが冒頭に冠されているあれだ。

 幽冥牢はそちらはNo Thank Youなのでスルーしているのだが、それはさておき、幽冥牢が『危ない~』シリーズに求めていたのは

『科学やPC技術やその他の専門技術を駆使するとこういう事も出来てしまうんだ』

という知的刺激であり、『〇ON!』に求めていたのは

『あえてバカ系面白記事だけで毎号出すスタンス』

だった。なので、現在の流れはパスである。

『〇ON!』の初期は『危ない〇号』の発売時期と重なって鬼畜ブームというものが訪れていたので、めっさばばっちかったり猟奇的だったり、そのものズバリ

『これは……死体ですね……』

という内容で満たされていたから敬遠していたのだが、いつの間にかバカ記事や

『だ、誰得……?』

と思わせる特集の痛快な雑誌になっていた。『B級コラム大特集』の頃である。

 これを打ち込んでいる時点でそれに近い空気を持っている雑誌で思い付くのは、『映画〇宝』だろうか。メジャー映画はほぼスルーして、取り扱うとしてもアメコミ系くらいだったり、

『どこから見つけて来たんだ、その映画』

みたいなのを取り上げてくれる事で知る楽しさがある。

『俺の見たい映画は俺が自分で探すぜ』

という人にもってこいの、1000円以上の価値は確実にある、読みごたえもたっぷりでオススメの雑誌である。

 さて、『〇ON!』だが、バカ系面白記事で挙げると、例えば今でいうYoutube〇さんがトライするあれこれの先駆けだったかもしれない。『食べ比べてみた』だとか商品レビューとかである。

 他にも『アキ〇ストリートニュース』という記事でアキ〇を闊歩する方々のファッションを具体的に取り上げて紹介する、という画像をご覧になった方がおられるかもしれないが、あれは『〇ON!』の愉快なページのひとつだった。

『ヤンキーファッションで固めてみる!』

という企画で、地域の商店街の洋品店さんで扱う様なファッションも取り入れた不良スタイル特集をした記事も印象深い。

『ヤンキーというよりは、これはツッパリ創生期のそれよな。お姉さんはめっさアフロに近いパーマかけてるし。

 マジアウトロー』

と思わせる写真で、モデルさん達がひなびまくった街角を闊歩する姿を大いに楽しませて頂いた。

 他にも例えばまだカセットテープでの新曲発売を取り扱っているお店で見つかるかどうか、というレベルで活動されている歌謡曲歌手の方にインタビューをしてみたり、そのジャンルでベストテンを作ってみたりというのもあった。

 また、芸能人の方のニュースで、ほぼ妄想である事を前面に押し出して書いているのが逆に面白味を出している、というものもあった。今だとすぐ訴訟とか謝罪沙汰だろう。

 独特の地元感を残している商店街の雰囲気、わたくしの知っているイメージで言えば、中〇線沿いや中〇ブロードウェイの雰囲気バリバリ、と言えば、伝わる人もおられるかもしれない。

 そういう、何というか、そう、ネット配信や深夜番組的な面白さがあったのだ。深夜帯だからこそ出来るコントみたいな。

 そういう深夜帯の枠だから面白かった番組も、ゴールデン枠に移された事で、ほとんどがクイズ番組や何か食べるコーナーになって、消えて行った。

 今でも幽冥牢は『ワン〇イトロックンロール』や『〇う犬』、〇シュー南をゴールデン枠に移した誰かを許していない。


 さて、『危ない〇8号』には未見の5号がある事、幸い、今なら密林さんで中古がお手頃価格で買える事などが、ネットのおかげで分かった。

 しかし何故か表紙に見覚えがあったので、幽冥牢の記憶違いか、過去改変が生じている可能性がある。

 なので、よく確認してから考えたい。

 ではまた(`・ω・´)ゞ

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