Heat townへようこ〇(松任谷由〇『Home townへよう〇そ』)

【前回までのあらすじ】

 誕生日が悪夢の酷暑40度越えで過ぎ去ってしまった幽冥牢ゆめろうはいささかぷんぷくりんであった。ナウなヤングの言葉で言えば『おこ』(『お怒り』の意)である。

 何故おこなのか、その理由は他にもある。暑さが幽冥牢から金と体力も奪い取って行くからであった。

 まず、

『おかしい、一日辺り1000円以内に収める買い物のはずが、必要なものを買ったら2000円吹き飛んでしまったあああああああああああああああああァ!><』

という事が頻発しており、とどのつまり五日で一万円が飛ぶ計算なのだ。どこのブルジョアか。

 次にあせもで手足が酷い有り様になっていて、かゆみ止めを塗り続けないと非常にしんどい。

 生存本能を呼び起こす成年コミックも、買って来た分はほぼ読み終えてしまった。

 そんなこんなで後四日をおよそ4000円で乗り切らねばならない。きちんと一日1000円で済ませられればいいのだが、

『お前の身体はポカ〇とアクエリア〇を飲まないと回復しないもんね』

とばかりに主張をして来て、更にその二本の飲料の消費も激しいのである。下手をすると毎日1.5リットルのペットボトルを買わなければならない程の消費速度だ。

 最早夏場の風情など欠片もない。

『夏場はこれが美味しいんだよねぇ☆(*´ω`)』

と夏の旬を味わう余裕もないのだ。全ては生存する為の補給物資である。

 これを打ち込んでいる7月28日未明は雨が降って28度まで下がるそうなのだが、週間天気予報を見たら

『8月頭にはまた35度になってしまう』

という事実が刻まれていたのも、幽冥牢を打ちのめした。


(早く寒くなってくれ……! 後、お金が振り込まれる日になってくれ……!!)

 そう祈りながら食事をし、眠気が差したらひたすら寝る。昼間はとにかく寝る。

 そして夕方を過ぎ、夜中に気温が下がったらそこで涼む事で身体を労わる。

 そんなライフスタイル。


 何かのご参考になるかもしれないから書いておくが、水でカップ麺と袋のインスタント麺を作る実験は既に行っている。

『まずい』

などと言われているが、恐らくラーメンの場合だけ、スープが上手く戻らないので、そこをつつかれているのだろう。ボリュームもあるし、酷暑の下では何ならカップ焼きそばにすればほぼ問題ない。

 個人的に非常食にしようかと、幽冥牢は考えている。

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