第12話4人の保有者
「はあ、はあ、はあ」
私は今街中を走っていた。
と、言うのも偶然出会ったあいつに追われているからだ。
あいつは昨日、影人に襲われている時に現れたウェポン保有者。
あいつのウェポンは左足に具現化した筒みたいなのから広範囲なビームを放つものだ。
昨日あのウェポンの威力を見て、正直二度と会いたくないと思ったんだけど
まさかこんな街中で出会うなんて…
流石にこんな人混みの中でウェポンを使うほど馬鹿じゃないんだろうけど
まったく!なんなのよ!
私これでも運動には自信あるのに、ぴったりと2m以内にくっついてくる。
ウェポンギアを発動してないって事はパッションも発動してないって事よね?
つまりあいつ…素の運動力もそれなりにあるって訳ね!
さぁーて、このまま街中を走り回っても意味がないだろうし
そろそろ仕掛けようかしら…
私はすぐさまビルの合間に入り
「ウェポンギア…展開!」
そう呟き右足にウェポンを具現化させる。
そしてそのままパッションと呼ばれる想いの力を使いビルを駆け上がる。
「やっぱり付いてくるわね!」
後ろを振り返ると私と同じようにウェポンギアを展開し人を超えたスピードで私に付いてくる。
私が向かう場所は……あそこだ!
昨日の今日なので、もうあそこしか思い浮かばなかった。
※
「ちょっ!う、嘘だろ!?」
街へパトロールに出た僕は、早速昨日のフードの男と出会した。
フードの男は、何を言うでもなくいきなりウェポンギアを展開し僕を襲ってきた。
人に見られるとか関係なしにウェポンを振りかざすフードの男に危険さを感じ僕は、すぐさまウェポンギアを展開し昨日の川へ向かった。
あそこは普段から人が少ないから危険はないだろうけど、それでも誰も居ないとは言えない。
僕的には賭けだった。
誰も人が居ないように神に祈る気持ちだった。
でもその祈りは見事に叶わず川には人が居た。
「くっ!上流の方へ行くか!」
下流の方は割と街に近いが上流の方は山の中で、尚且つ流れも早いので遊ぶには適していない。
つまり上流の方は人が居ないはずなのだ!
そう思っていたのだが、上流の方で声が聞こえてきた。
「いったいアンタの目的って何よ!」
「俺の目的はウェポンギア保有者で命のやり取りをする事だ」
「はぁぁ?意味わかんない!シフォンに踊らされてるって訳じゃないのよね?」
「あの天使はウェポンギア保有者を見つけてくれる協力者だ」
1人は女の声でもう1人は男の声だった。
いや、てかあの2人は…
「アヤカ!」
「はっ!?クロト!?なんでアンタがここに!?」
「話は後だ!どうやら最悪な展開になったみたいだ」
そう言って僕はアヤカの背中に背中を合わせるように構える。
そして…フードの男が来た。
「アンタも保有者に追われてたって言うの!?」
「まあ、そー言う事!とりあえずアヤカ共闘しよう」
「それしかないみたいね」
僕とアヤカはお互いの敵を睨み合う。
「へ〜更に2人ウェポン保有者がね〜」
アヤカの相手がそう呟いた。
あいつはフードの男を知らないみたいだ…って事は、あいつもフードの男もソロって事か。
いや、考えるのは後だ。
「このフードの男は僕しか狙わない!だからアヤカ!そいつは任せたよ」
「うっさいわね!言われなくてもやるわよ!」
こうして僕とアヤカの二度目の共闘が始まった。
ウェポンギア @NIAzRON
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