016_なぜ異世界という舞台が人気なのか冷静に考えてみる

 なぜ異世界が人気なのか。ふと気になった。

 特別な理由はない、ちょっとした気まぐれで気になった。


 異世界というコンテンツが人気を継続し、随分と経った。

 個人的には異世界作品を書くつもりは基本的にないけれども、異世界という舞台が好きであるという人については、ある程度理解しているつもりではある。


 私なりに、なぜ異世界が人気があるのか冷静にまとめたくなった。

 なので、今回は『異世界』について分析しようと思う。


 予め書いておくが、これは私個人の意見なので、一概に正解、不正解ということは気にせず見てもらえればと思います。


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★なぜ異世界という舞台が若者たちに人気があるのか

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 私が思うに、『煩わしいしがらみが存在しない』というのが一番の理由なのでは、と推測している。

 実際に世の中を生きている『現代社会』と比較した上で、『異世界』という舞台に強い魅力を感じている人が多い。


 その魅力に惹かれているのは10代の子だけだろうかと思う人もいるだろうが、実のところ、10代〜40代くらいまでは異世界という舞台に魅力を感じている人がいるのでは……と予測している。


 直接的な異世界ではないが、初期のドラゴンクエスト世代は30代後半から40代前半のおじさん達で、今もドラクエが流行り続けているのは、そういうミドル層が根強く支えているというのが肝だと思っている。

 ドラクエ等を通じてファンタジー世界に耐性が付き、寛容的な思考を持っている人の中には、異世界ナンチャラなライトノベルを購入する人もある程度存在するだろう。

 意外とライトノベルを書いている人には30代〜40代という人も結構存在している。

 趣向や、こう書いたら喜ぶだろうというどストライクな内容は、同世代ほど上手に小説の中に落とし込むのが上手だからだ。

 ……とまあ、脱線してしまったが、異世界のニーズが有る世代層は上記のような背景から10代〜40代と推測している。


 最初に書いたとおり、異世界に魅力がある理由は『煩わしいしがらみが存在しない』という点だというふうに説明をしている。

 では、更に詳細。煩わしいしがらみについて説明しようか。


 現代社会はあまりにも完成しすぎて窮屈だと感じている人がいる。

 法律、税金、社会、人間関係、国境、環境、世間体 etc…


 大人になれば法律を守って生きていかなくてはいけないし、生きている限りは税金を払い続けないと罪になる。

 社会のマナーというものを守らねば冷たい視線を送られてしまうし、人間関係という教科書に乗らないルールに従わねば仲間はずれにされる。

 別の土地に行くにはパスポートが必要で、言葉は国ごとに全く違う。

 治安は全体的に良いというわけでもないし、その治安の悪さに暴力で反撃することは犯罪とされる。

 というか、そもそも暴力に立ち向かうための力も物理的に存在しない。

 大人になれば世間体で結婚をし、子供を産まなければ変な人に見られてしまうし、結婚と出産をすれば自分の時間は非常に減る。

 結果として、まあまあ窮屈な世の中の歯車に乗り続けることを強いられている事に気づいてしまう人は、その窮屈さに不快感を感じ、そんな世の中じゃない世界に理想を抱くようになる。


 結果、現代社会と比べ、圧倒的に自由な『異世界』という場所に居心地の良さを感じるようになるのだ。


 異世界についても書いていくなら、こうだろう。

 よく小説で設定されている内容としては


 ・広大な世界を自由に歩ける

 ・異世界転生者なので税金や法律などにしばられない

 ・国境を超えるのにパスポートがいらない

 ・現代社会のように異世界は物理的に技術が発展していないので、まだ世の中が進化する余地に立ち会える

 ・剣や魔法を通じて自身が現代社会で物理的に成せない武力を得られる

 ・つまらない仕事じゃなく、モンスターを倒せばお金をもらえて美味しいご飯が食べられる役職がある

 ・可愛い人、人以外のエルフなど、魅力的な生命が多い

 ・学校がないので勉学や時間に縛られない


 etc…


 といったところだろう。

 簡潔に言うなら、自分自身が縛られるものが存在しなく、生活のために自由にお金を稼ぐ方法を選択でき、結果、毎日を自由に生きられる。

 そしてその世界にいる人達は、性格的にも容姿的にも魅力的である。


 まあつまり、現代の悪い部分をすべて取り除いた世界と言ってもいいだろう。

 そんな世界があるよと言われるなら、タチマチPだって転生したいわ。

 税金がない、自由に冒険できるというだけで、既にかなり魅力的だし、きっと人生がとても楽しいものになるだろう。


 毎日の縛られた生活の中で、少しでも自由な世界を堪能することで、苦しい毎日を少しでも安らかにできる……気持ちの良い思いができる、というのが異世界の魅力なのでは、と考えている。

 まあ、あくまで一個人の推測なので、いやいや違うぞ、という人がいるのなら、それでいい。否定はしない。

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 個人的に異世界ものが流行っているというのは大いに結構だと思っているが、同時に危機感を抱いてしまう要因では……とも思っている。

 現代社会に疲れ、異世界というコンテンツに癒やしを求める。

 別にそれは構わないが、常に異世界という場所に居場所を求め続けなくてはいけないと感じてしまっている人がもしもたくさんいたらどうだろうか。


 それは、現代社会という場所が更に荒廃し、魅力さが無くなっている信号になっていないだろうか。

 言うまでもないが、知らない裏路地を通り抜けても、トラックに轢かれても、異世界という場所にいくことは100%ありえない。

 あくまで小説の中の設定の一つに過ぎないし、本当に実行すればトラックの運転手に迷惑がかかる。

 小説はあくまで、小説という客観視が必要だろう。


 だがもし、異世界という場所だけにしか興味がなくなっている……という人が一人でも多くなってしまっているのは、現代社会という場所に大いに問題が出てしまいすぎているのではという推測になるのは割と自然なことだろう。


 私は、小説を書いていき、異世界コンテンツというものが長く続いている姿を見て、すこしそんな勝手な心配をしてしまっている。

 いや、そんな深い事情じゃねえぞ、というのであれば、それはそれで私のしょうもない思い過ごしなので、どうでもいいが。


 ともあれ、私なりの異世界の人気がある理由というのを、ちょっとディープに調べてまとめた結果が以上の内容ということになる。

 皆さんは、異世界がなぜ人気があるのか、貴方なりの意見があれば、是非コメント欄に意見を残していってもらいたい。


 では、今回はこのへんで終了とする。

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