013_『ギャップ萌え』という要素は万年のウケ要素である

 作品のテーマとしてド定番となっている『ギャップ萌え』

 今も昔も変わらずに、コンテンツを楽しむ人にとっては強く興味を持たれるジャンルの一つとなっている。


【例】

・顔は怖いが、趣味が可愛い(子猫を飼う等)

・頭は良いが、ちょっとドジ

・イケメンなのに、性格が残念

・美少女なのに、生活感がだらしない


 作品の中で直接的にギャップ萌えがある内容なんですよ!というド直球な訴求をすることは滅多に無いので、ウケが良い要素だよと言われても即座にピンとは来ないだろうが、少なくとも評判の高い作品の中にはギャップ萌えが含まれている確率が高い。


 例えば、みんな大好き異世界モノは、文化の違いに戸惑うシーンにギャップが生じて面白みが生まれていると想定される。

 日本には無いような広大な自然と特別な力。

 または、現代社会の知識を異世界でひけらかすシーン。

 最近だと二足歩行出来るだけで褒められる作品もあるとかなんとか。


 現代がテーマのままでも、突然特殊な事件に巻き込まれる系はウケが良い。

 日常生活が壊れ、逃亡生活や復讐生活を通じ、様々な場所に訪れ、様々な人にであるという描写が多い。

 今まで自分が過ごしてきた生き方とはガラッと変わるという点でギャップが生じて面白みが生まれる。

 平凡な毎日に退屈している人にウケがいいという点では、日本では受け入れられやすいのかなと思う。


 少し前には、新しい趣味を始めたら、今までとは違う生活と出会いがあるという体験型ギャップ要素が人気となった。

 楽器を始めたり、社交ダンスを始めたり、バイクに乗り始めたり。

 異世界ブームの前は、これが商業で流行っていたと思う。

 今は「○○を始める」の、○○要素が様々なクリエイター達によって食い潰され、終焉を迎えているので、再開花する可能性はあまりなさそうだが。


 今、そのギャップ萌えジャンルとして繁盛しているのが異世界ということだ。


 ただ、ギャップ萌えというモノには「飽き」という要素が存在する。

 一冊目は感動的に面白いかもしれないが、百冊読めば、いくらアレンジされた異世界モノでも読者はさすがに飽きてくる。

 ジャンルの中のギャップが「珍しくもない」ものへと劣化して、人の感動は確実に皆無へと近づいていく。

 ギャップが少しずつ狭まることで、ギャップという面白さを生み出す機能が活動しなくなってしまうのだ。

 だから、新ジャンルを開拓して新しい作品を作らなければいけないということになる。

 

 この点に気がつけば、クリエイターとしては今後どのように気をつけたほうが良いかというのが把握できる。


【ワイ氏が気をつけていること】

・異世界要素というよりは、ギャップ要素のハマりの良さを意識した作品を作る

・既に他作品で取られたギャップ設定は使わない。(似せない)

・今後、異世界要素は時間を通じて廃れる可能性があるので、売れた作品のどのようなギャップがウケたのか分析する

・過度に偏屈なギャップは共感の相違や嫌悪感を生み出す場合があるので注意



 ギャップ萌えについては、とても良いものだと思っています。

 人と人とが触れ合うにも、それぞれが違う趣向で生きているという点で、自分以外の生き方にギャップや面白みを感じるし、人以外にも、モノや場所、体験など、様々なギャップが人の考えを豊かにします。


 小説の作品を作るに当たっては、読む人がギャップ萌えを通じた素敵な体験をするということを意識しながら作品作りをすれば、何かしらの形で評価されるのではないかと思っています。


 では、今回はこのへんで。

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