010_人は集団でコンテンツに群がり、光の速さで移動する
Twitterでリツイートが多いツイートのことを、今の世はバズりというらしい。
ワット騒いでさっと消える。
ちょっとウケが良かったら数字が一気に上るというやつのことだ。
Twitterでリツイートされる根本の理由は何だろうか?
面白さについてはもちろんながら、一番の理由は『皆が話題にしている』という点が一番の理由なのだと思っている。
ツイートの中にはウケを狙って投稿している作品なんて、多分数秒おきに何処かの誰かが投稿しているだろう。
ただ、その99%は、ほとんど誰にも気づかれずに虚しくタイムラインの下へと流れていってしまうものがほとんどだ。
面白い内容をつぶやいたつもりなのに、どうして誰も見てくれないんだろう……
今の若者がどうしようもない結果に地団駄を踏んでいる。
ちなみにTwitterでいわゆるバズりというのが起こるツイートというのはどんなものだか分かるだろうか?
答えは簡単――
「みんなが見ているもの」だ。
TwitterやInstagramはいわゆるリツイート的ないいね的なものが自分以外の人から押されると数値として結果が残る。
数字が大きければ大きいほどに、そのツイートの内容というのは多くの人に知れ渡り、同時にそれは戦闘力として内容の強さというのを証明する。
しかしながら、たぶん内容云々なんて殆どの人がそこまで重要視していない。
「みんなが見ているもの――」
ただそのバズりサークルに交じりたいという一心でいいねと評価するのだ。
だから、その場でワッと人気になりつつも、数日後にはウソのように忘れ去られてしまう。
人気が出るのも運、出ないのも運、人気が出たところでその場限り。
SNSという場所で宣伝をするのは、多分相当難しいことなのだ。
……
……
今の時代はとにかく情報量が多く、流動的なのが特徴だ。
昔のように1つの作品を長く楽しみ続けるというよりは、100の作品を広く浅く楽しみながら、常に新しいものを探求し続けるのが若者の特徴となっている。
その中で更に人気が出そうなものに限り、更に深掘りして楽しんでいく。
その為、じっくりと時間をかけて作品を理解しなくてはいけない小説という分野は、今の時代としては訴求しにくいコンテンツになっていると思う。
むしろ、今まで人気が頭打ちになっていた四コマ漫画が時短で楽しめるという部分で再評価されているのではないかと感じている。
一昔前は、大人向けに家族マンガやオフィスマンガ、ギャグ漫画などの気持ちニッチな作品を作る際に四コママンガが用いられていたが、現状は皆様ご存知の通り、若者に受けるような美少女イケメンたちが登場する作品の四コマ漫画が非常に多くなっている。
作品の面白さや世界観を数秒で把握することも可能ながら、どのタイミングで中断しても物語の進行には大きな影響がないというメリットを保有している。
出版社的にもウケないなら途中で切ってしまえばよいというフットワークの軽さを活かすことも出来るし、初心者の漫画家も気軽に作り始めることが出来る。
なんだか四コマ漫画の宣伝みたいになってしまったが、つまりSNSと四コマ漫画というのは非常に相性が良く、小説はSNS時代には相性が悪いのではないかということを言いたかったのだ。
小説の一作品を10万文字とし、読了までに2時間程度かかるものとする。
たった2時間じゃないかといいつつも、小説という作品は数万と存在する。
もしも、別の作品がもっと面白かったらどうしようかと危惧してしまうのは当然だ。
人は人とのつながりを重要視するし、特にSNS等で同じ感動共感をしたいと感じている人はかなり多いだろう。
リアルタイムで会話や話題をするSNSや、同じ環境で遊ぶソーシャルゲームとは違い、クローズドな環境で1人黙々と文章を読み続けるというところにつながりを感じる人はあまりいないだろう。
ウェブ小説という場であるならば、感想や評価で繋がることは出来るが、その状況把握をするために数万あるうちの1つの作品をじっくり読むというのは、若者たちにとっては時間のリスクなのだ。
もし、これを読んで共感できる人がいなかったらどうしよう……と。
自分だけが楽しめれば、それでいいじゃないか――という人は、割合で言うならあまり多くは存在しない。
作品を読むにしても、やはり人とのつながりを守りたいのだ。
魅力的な作品であれば、皆が共感してくれるものなのかと聞かれても、多分そうだと断定はできない。
興味のそそられるプロモーションに引っかかる人が多いほうが、多分、皆が共感してくれる結果となる。
プロモーションで引っかかり、作品自体の品質が高く、そして様々な有名人が作品を評価することで、初めて1つの作品は長らく愛される作品へと成長する。
作品を短時間で読んでもらい、評価してもらうためにはどうすればよいか。
その考案の結果が、ライトノベルという簡単に内容把握できる仕組みではなかろうか?
人という考え方のために、時代が変化したのか――
はたまた、逆にコンテンツが人を変えたのか――
う〜ん、そこら辺はよく分からないが、少なくとも、時間をかけて理解してもらおうという考え方では、作品が評価されることは、まず無さそうだ。
そういう時代であり、時代に合わせた変化を求められる。
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