game10 真実
私たちの前で真実が語られた。
「まず関口は、1回目の夜アクションの時に相方を知ることが出来る。そこでもう2人は少なくとも票を稼がないと、ランダム投票になった時に偶然殺される危険性がある」
たしかに、グレーランダムになった時、偶然その人が2票でも最多票になることはある。
「そして、9人という小さなメンバーの中で関口は4人というのを選んだ。関口は真っ先に山本と小桜に手をかけたんだ」
実質3人でもよく、より投票人数が多くなればいいからだ。
あの時の投票は確か、筒井さんだったはずだし、吊るす理由も充分にあったと言えた。
「しかし、関口は要素外な出来事が起きる。それは小桜による柱宣言だ。あれは欠から言うと、あの時既に俺が関口に忍ばせた刺客だ。投票を分散させるためにあえて柱宣言するように仕向けた」
とんでもない展開になっていた。
私はあの時たしかに柱宣言をした一花ちゃんを見たが、手を組んでるのはてっきり関口くんと思っていた。
いつどのタイミングで、一花ちゃんと手を組んだのかわからなかった。
すると、神代さんがいきなり胸に手を当てる。
よくよく見ると、プレイヤー全員が支給され持っていないと行けないものが神代さんの胸にはない。
その持っていなきゃいけないものとは、ゴールドプレートのことだ。
「ここに本来なきゃならねぇゴールドプレートは、今小桜が持ってる」
私を含めて、関口くんも心美さんも何がどうなってるのかわからなかった。
でも関口くんが言い返してきた。
「でも、こいつの服を脱がした時、そんなものはどこにも……」
そう言うと、一花ちゃんが靴を脱いで、靴裏の底を取り外し、中から神代さんのゴールドプレートを取り出した。
「俺がそこに隠すように言った」
「はぁぁぁぁぉ!?」
みんな驚くしかなかった。
「このゴールドプレートは一億円になる。こいつは関口組に入るから既に死ぬことはなくなっていた。初日死ぬのは山本だと確信したしな、死ななければあとは簡単だろ、負けてもこいつは俺のプレート一億円でリタイアが可能だ。借金分返済できるからな、なので、根拠の無い助けると言葉だけのお前と、既に初手から行動で助けてあげた男ならどっちを選ぶかお前がどんなに馬鹿でも分かるよな?」
そういうと、言い返す言葉もなく、地面に座り込む。
人狼がここにて落ちた瞬間だった。
その日の投票はあっけなく関口くんが監禁され、夜には一花ちゃんが襲撃された。
そして、最終日を迎えて、会話を交わすことなく、ずっとボッーとして時間を過ごした。
心美さんは、ずっとあれから頭を抱えこみ、子供がいるのに、出ることも出来ず、私は助けたくもなった。
しかし、それは神代さんに止められていた。
神代さんはこんな質問をしてきた。
「お前、リタイアしたいか?小桜含めて市民残り5人一億円は手に入れても、リタイアまでの残り5千万が足りてない。俺の一億で2人は助けようとしてる。お前はどうする?」
私は私が助かりたいがために戦ってきた。
しかし、一花ちゃんやそのほかの市民達は助けたいとも思った。
神代さんのその意見に私は賛成し、同意した。
私の一億円でさらに2人助けることにした。
そして、最終日私と神代さんで、心美さんを監禁した。
この時点でゲームが終了した。
「これでゲームは終了です。この会場から人狼はいなくなりましたので、市民陣営の勝利です。市民陣営は全員解放され、一億円が支給されます。リタイアする場合はさらに一億円を支払っていただきます。支払わなければ2回戦出場が確定されます」
そして、決断の1時間のカウントダウンが始まった。
市民陣営で解放された、一花ちゃんを含む5人は、本来金がなく、リタイアは不可能だ。
そのためか、みんな目が死んでいた。
「さて、俺から一言ある。市民陣営勝利だが、俺と茉凜はこのまま2回戦に出る。だからお前らにここに2億渡す。しかし、助けられるのは4人までだ。つまりその中から1人は2回戦に出なきゃならない」
そう言うと、嬉しいを通り越して、5千万は譲らないと意地を張るばかりだ。
すると、後から一花ちゃんの手があがった。
「いいよ私、このまま2回戦に出ても、神代さんに救われて、私みたいな人にも出会えた。茉凜ちゃんと神代さんには感謝してるから恩を返したい」
そう言うと、一花ちゃんがこっちサイドへ歩いてきた。
これで私たち含む全7名の意思が一致、私と一花ちゃんと神代さんはこのまま2回戦へ、その他4人はリタイアする形となった。
ゲームを終えた私たちに迎えのバスがやってくる。
一度2回戦に出場する人も帰宅できるみたいだ。
その帰り、一花ちゃんと私は携帯電話の番号とメアドを交換した。
私たちの始まる恐怖はこれでは終わらなかった。
更なる試練が私たちを待ち受けていた。
人狼ゲーム~嘘と真実のサバイバル~ KURO @KURO_j
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