「受賞作なし」にがっくり

 日本ミステリー文学大賞新人賞に原稿を送った翌日(5/10)にHJ小説大賞の一次選考が発表された。ここには麻雀ラブコメを出していたのだが落ちていた。


 1月中旬からひたすら新作を書きまくってきたので、執筆活動はいったん停止。本を読むことに注力した。


 職場ではこれといった問題もなく、老人ホームで面倒を見てもらっている祖母も落ち着いて過ごせているようだった。もう田んぼも作っていないので、本当に小説のことだけを考えていられる。あと必要なのは受賞だけだ。


 そのまま5月下旬になった。

 カクヨムで開催されていたメディアワークス文庫の〈3つのお題〉コンテストの中間発表があった。僕は「幻狼亭事件」をホラー×ミステリー部門に出していた。


 結果が出たとツイッターでつぶやいている方がいたので、さっそくリンクをたどってみると、最初の画面に自分の名前があった。つまり最終候補入りである。


「おお!」と思わず声を出してしまった。僕は今までネット小説サイトのコンテストで一次すら通ったことがなかったのだ。今回もあまり期待はしていなかっただけに喜びも大きかった。


 ただ、最終候補は14作品ある。この中から1作しか選ばれない。そう思うとすぐ憂鬱になった。

 どうせまた落とされるんだろう? 4分の1ですら受賞できないのに、桁が一つ多かったらそれはもう……。

 なんて、なぜか暗くなっている僕であった。


 そして5月最終日。

 メフィスト賞2022前期の座談会が公開された。ちょうど市街地に出かけていて、お昼のラーメン屋でそれを読んだ。

 僕の作品は座談会でも、印象に残った作品のページでも取り上げられていなかった。


 ……粗製濫造になっているのかな。


 冬場に集中的に書いた原稿が次々に落とされている。もうちょっとじっくり一つの作品と向き合うべきなのかもしれない。


 6月頭にはちょっとしたイベントがあった。

 とある賞の最終候補になった方から声をかけていただき、ミステリ作家志望者でおしゃべりしようということになったのだ。スカイプ会議に集まったのは僕を含めて四人。全員がどこかの賞の最終選考に残っている。


 僕の周りにはミステリの話をできる人がいない。なので、この通話はものすごく楽しかった。新人賞の情報交換から執筆スタイルなど、いろいろな話を聞けてとても有意義な時間を過ごすことができた。


 6月前半は読書中心の生活を送って、7月からまた新しい原稿を書こうと思っていた。


 しかし予想外の事態が起きた。

 モンスターハンターライズにはまってしまったのである。ライズの追加コンテンツ、サンブレイクで過去作のモンスター(エスピナス)が復活すると聞いて、「懐かしい! またやろうかな?」――と、試しにやってみたらとにかく面白くてついついやりこんでいた。


 後半はそれで時間を奪われてちょっと小説から離れていた。

 そして、この時期になってもなんの音沙汰もなかったので、〈3つのお題〉コンテストも最終落ちだな……と予想がついていた。


 その結果は月末に出た。

 該当作なし、である。

 他の部門では受賞者が出ていたが、ホラー×ミステリー部門だけ一人も受賞せず。


 がっかりした。受賞枠を争った相手の本が出たら、書店で手に取って「これに負けたのか~」とつぶやくのも新人賞の醍醐味だ(そうか?)。受賞作がないとそれすらできない。非常に残念な幕切れとなった。


 こうして4回目の最終落ちを食らって、勝負の7月を迎えるのだった。

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