2022年
危機感を覚えて書きまくる
年が明けて2022年。
僕は麻雀にはまっていた。VTuberを見るのが好きになって、その人たちが
これによって漫画『咲』がより理解できるようになり、ついでに、
「麻雀のラブコメとかありじゃない?」
と思ったりした。
そこで1月中旬から、特にどこかに応募する予定もなく麻雀ラブコメを書き始めた。数学どころか算数すら怪しいのに、点数計算は大丈夫なのか?――駄目だったので、点数計算サイトをお借りしてエクセルで点数表を作った。
それを書いているうちに1月下旬となった。大相撲で地元(長野)出身の御嶽海が優勝し、大関に昇進したのが個人的にとても嬉しかった。
その流れにあやかりたいものだが……と思っていたが、なんの音沙汰もないので、またしても星海社FICTIONS新人賞は落選したらしい。そして月末、鮎川哲也賞の最終候補者が発表された。僕の名前はなく、二次落ち。昨年から続く、一次通過止まりの連鎖を断ち切れない。
そして、鮎川の落選で僕は激しい危機感を覚えた。
2月には31歳だ。夢見る19歳だった作家志望者はもうすぐ中年になってしまう。
深刻にヤバいと思い、すぐさま応募できる新人賞を調べまくった。結果が早く出る賞を探した結果、pixivで開催されている異世界漫画原作小説コンテストが狙い目だと思った。主催は講談社の漫画雑誌、シリウス。講談社ラノベ文庫での書籍化とシリウスでのコミカライズ化は魅力的だ。お題があって、どれもなろう系を意識したものだった。
僕は以前から興味のあった、追放ものを書いてみることにした。不思議なことに、自然と新作を書く気になっていた。ここ数年の自分なら、まず使えそうな手持ちの原稿を探すのが先だったはず。どんどん量産しなければ、という気持ちに傾いていた。
かくして二作並行での執筆が始まる。
麻雀ラブコメと追放系ファンタジー。
追放ものはなろうのテンプレを踏みつつ少しひねり、最後は王道で締める構成を取った。pixivの機能が思いのほか書きやすく、さくさく書き進めることができた。こちらは1週間で完成。その数日後には麻雀ラブコメも書き上がった。
麻雀ラブコメはノベルアップ+という小説サイトで開催中のHJ小説大賞に応募することにした。他に締め切りが近かったのはネット小説大賞とファンタジア大賞だが、前者は応募総数が膨大すぎて尻込みしてしまった。
ファンタジア大賞とHJ小説大賞で最後まで迷ったが、両レーベルの刊行ラインナップを見比べて、たぶんHJ文庫のカラーに近いはずだと思ってノベルアップに作品を公開した。せっかくなのでカクヨムでも公開したが(現在は非公開)、過去作に比べると引くくらい伸びなかった。麻雀はわからないというコメントもいただいたが、題材のせいなのか僕の書き方のせいなのかは謎である。
こうして二作品が結果待ちの状態になった。が、ここで終わらないのが今年の僕だった。
前年、父親の一件で書くのをやめてしまった「墓石亭の殺人」の続きを書く気力が戻ってきたのだ。半分までは書けていたので、2月中旬から執筆を再開し、1週間で完結まで持っていった。
タイトルは「グレイヴ・ホワイダニット」に変更した。動機探しのミステリであることを強調したかったのだ。
問題はこの原稿をどこに送るか、だった。
月末にはメフィスト賞とアガサ・クリスティー賞の締め切りがある。3月まで待てば新潮ミステリー大賞の締め切りが。
これで、また眠れないくらい悩んだ。
とにかくこの時期は新人賞の締め切りが重なりすぎている。
メフィスト賞は結果発表までが早く、新潮ミステリー大賞ならもう一ヶ月じっくり推敲できる。ただし枚数が350枚に届いていないので、エピソードを追加する必要があった。
クリスティー賞は選択肢に入れなかった。前年の受賞作が『同志少女よ、敵を撃て』だったことや、歴代の受賞作を眺めて、今回の作品とは合わないと判断したのだ。
散々迷ったが、以前の新潮でも枚数をかさ増しして後悔したことがあるので、枚数を気にしなくてもいいメフィスト賞に応募した。
あれだけ書けない書けないと言っていたのに、2月のうちだけで3作品を完結まで持っていけた。その反動で肩こりと腰痛がえげつないことになったが、「なんだ、まだまだ書けるじゃん」と前向きになれた。クオリティは大切だが、生産量を重視する時期があってもいいはず。今の自分は、とにかく完結作を増やすことが大切だと思った。
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