最終選考が遠すぎる
7月は、5月に応募した新人賞の一次選考結果が順番に発表されていく。
先頭はばらのまち福山ミステリー文学新人賞だった。これは1日に発表があり、星海社で一行に切られた「うたかたの夢蟲」は一次通過していた。ということは、自己評価基準がそこまでおかしいわけではない、と考えていいのだろうか? とにかく突破は突破である。
その数日後、このミス大賞から「少女たちの秒針」が一次を通過したというメールが届いた。朝スマホを起動したらメールが来ていて、昨日気づけなかった……! と焦ったが、よく見たらメールは深夜0時30分に送られてきていた。編集さんってこんな時間まで働いてるんだ……とちょっと画面の向こうを心配してしまった。
さらに14日。角川文庫キャラクター小説大賞も一次の発表があり、「幻狼亭事件」も通過していた。
7月下旬にはこのミス大賞の一次通過者が公式発表となり、あわせて一次選考委員による講評もアップされた。読んでくださったのは宇田川拓也さん。人間模様の描き方などを評価していただいた。
7月はかなりいい流れが来ている、と感じた。
それは瞬間最大風速が強いだけだった。
8月、お盆。
以前のこのミス大賞ではお盆明けに電話が来たので、あと数日で最終に残っているかがわかる、と気にしていた。
ところが、お盆初日にこのミス事務局から封筒が届き、二次落選ですといった内容の用紙が出てきた。あっけない終戦だった。
さらに8月下旬。
角川文庫キャラクター小説大賞も最終選考に残れず落選となった。
その後、このミス大賞の最終候補者が発表された。最終候補は例年より多く八人。一次通過が23作品だから、この倍率で落ちたのは痛すぎる。
二次選考の講評では、リアリティに欠ける、2021年にノストラダムスを扱う理由が見いだせない、などの指摘を受けた。ただ二次選考委員の千街晶之さんからは、こだわっていた犯行のタイミングの必然性を評価していただけたので、そこだけは報われた気がした。
さらに下って9月。
福ミスも最終候補者が発表され、やはり落選していた。
上半期のGA文庫大賞、江戸川乱歩賞もそうだったが、次が最終選考というところでみんな落ちてしまう。一次は通るがその先に行けない負のループに陥っていた。
ついでにジャンプ+のネーム原作マンガ賞も落選しており、応募したすべての作品が砕け散った。
ただ、この頃にはメンタルがけっこう落ち着いてきていたので、新作を書いて巻き返そうという気持ちになれていた。まだまだやれるはずなのだ。
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