応援コメント

司祭」への応援コメント

  • サクリィ…カトリックで言う“秘蹟”というやつでしょうか?

    ふと思ったのですが、これがあの二人による“神様ごっこ”だとして、これはこれで結構悲劇的なのかもしれませんね

    というのも、あまりに天才すぎる(そして異質すぎる)弟には、おそらく神様“しか”出来ないように思えるのです
    能力と認識が世間から隔絶しているがゆえに、上から見下ろしおもちゃにして遊ぶことでしか他者と関わることが出来ない…

    誰よりも優秀であるだけで、決して人々の仲間などではないし、ましてや友達や同志など出来るはずがない
    誰も彼を叱ってくれはしなかったし、彼が入ることの出来る“人の輪”も存在しなかったでしょう
    人間同士の血の通った付き合いは、彼には得ることが出来ず、おそらく優秀さと評価ポイント以外の基準を捨てた、この社会全体からも無くなりつつあるのでしょうね…

    そして、妹はその弟の司祭であり、その価値を認める者もまたいない
    こうしてわざわざ異常な状況を用意して作らなければ…

    断片的な情報からの推測ですが、そう思えてならないのです
    あの二人、デザインされた天才児は、社会的地位があるだけのフランケンシュタインの怪物なのではないでしょうか?
    いくら優秀であっても、いや優秀であればあるほど、怪物には居場所がない…

    この社会は、勝利し他者を踏みつけることには向いていても、幼児性の怪物を馴致させて人間にすることは出来ないのですから
    もし、それが出来る人物がいるとすれば、それはおそらく彼が関心を持つ…


    作者からの返信

     サクリィは化と真が、おっしゃる通り、カトリックの秘跡からもってきたものだと思われます。
     そして、こちらもおっしゃる通り、彼らは確かに「神様ごっこ」をしているようです。

     彼らには、キリスト教そして宗教が「こういったもの」に見えているのだと思われます。
     それは本当はとても歪なもので、宗教の本質を押さえたとは到底言い難いものなのですが……。
     しいて言うなら「キリスト教のキメラ」といいますか、生物ではなく宗教を用いて、キメラを作り出すかのようにバラバラにしてつなぎ合わせて……彼ら、とりわけ化は本当にそういうのが好きですね……。

     そして、悲劇的であるというのも、本当にその通りだと思います。
     彼ら、特に化のほうもまた、「人間ではない」かのような存在になってしまっています。人間未満とは違った、対極の意味において、ですが……。
     あまりに優秀すぎるがゆえに、他の人間が全員動物のように見えてしまっているのだと思います。唯一双子の姉だけは、普通の人間から見た動物のイヌ程度には意思の疎通が可能ですが、他はほとんど言葉も通じないような動物、ケモノ、その程度の生きものだと感じているのでしょう。

     化はもしかしたら、まるで自分独りが出口のないジャングルに生まれてしまった気持ちなのかもしれません。
     そういう意味では、彼は「野生児」なのかもしれませんね。満足な教育を受けられず、話し相手もおらず、友達も同志もおらず、おっしゃる通り「人の輪」にも入れなかったでしょうし、ずっと孤独だったのでしょうね。

     しかし普通の人間で言う「野生児」ならば、(ある程度絶望的な場合があるにしろ)まだ、文明社会に見つけてもらって人間性を回復できる可能性もありますが、化にはその可能性すらほとんどありません。
     それを求めるのであれば、宇宙の外か異次元に求めるしかなく、どちらにせよ非常に望みは薄いでしょう。

     彼もまた重々、そのことに気がついているのかもしれませんね。
     そして、暗く出口のない果てしないジャングルのなかに生き続けて、地球の外や異次元で「自分と同じかそれ以上の生きもの」を求めようという気概も、もうなくなってしまったのかもしれませんよね。

     この社会は化を理解しようとしない、というよりは、理解できないでしょうし、化もまた社会を大切には思えないでしょう。
     真は他の人間に比べればまだ少し化のことがわかりますが、不十分です。しかし、真もまた、普通の人々と普通に交わるには優秀すぎました。

     彼らは本当にフランケンシュタイン、怪物と言える存在として社会に産み落とされてしまいましたね。
     居場所がなくてもがいているのは、彼らもまた同じなのかもしれません。

     そうですね。彼、あるいは、彼に近い者なら、もしかしたら……。

     このあたりも、いずれ何らかのかたちでもっと書いてみたいとは思っています。
     公開するのはだいぶ先のことになってしまうかもしれませんが、そのときにはよかったらぜひ、お読みいただけると嬉しいです。