どう繕っても加害者だった狩理くんに馴れ馴れしくするしゅん君に少しもやもやします。
南美川さんとしゅんくんに復讐とか考えて欲しいわけでは無いのですが、そういう甘さが今回の騒動を引き起こした一旦なのではないかと思えてなりません。
作者からの返信
大変鋭いご指摘だと思います。
この物語のまさしく根幹にかかわるところですね。
おっしゃる通り、春はそこがとても甘いです。
そもそも春はすでに二回失敗をしましたよね。最初は化に飲み物で騙され、次は南美川父に殴打され。
本人的にはそれでもしっかりと準備をしていたつもりなのでしょうが(「おもちゃ」とかですよね)、やっぱりところどころのツメの甘さは拭えないです。
それにいまだって、化や真や、そして狩理に、そんなのんきなことしている場合ではないはずなのです。逃げろ、と。
自分が被害者だったのに、弱者になった加害者をわざわざ元の立場に戻そうとし、そしてもうひとりの加害者とあろうことか友だちになろうとする。
彼の行動は、たしかに甘く、愚かで、不合理で、けっしてクレバーとは言えません。
だから。
私はほかのだれでもなく、来栖春という人間を主人公にしました。
きっと彼も自分の甘さは薄々わかりつつあると思います。
すこし先になってしまうかもしれませんが、きっときっと彼はまたそこを真正面から見据えざるをえなくなります。ぜひ、楽しみにしていてください。
編集済
更新ありがとうございます!!
凄いですね、春くん。
形は違えど、化、真、そして狩理の3人を黙らせてしまった。
何でしょうね? 春はただ彼らしく率直に思った事を述べただけの様にも思えますし……。
また、幸奈にとってこの南美川家の滞在(というか監禁)は、これから「人」として生きていくにあたって、意味のある事だったと後々になって思えることでしょう。(今はそうは思えないかもしれませんが……)
さて、あと二人追い縋ってきそうな輩が居る筈ですがどうなることやら……。
作者からの返信
こちらこそいつもありがとうございますー!!
そうなんですよね、春はただ思っていることを述べたようでいて、そのことが化と真と狩理というそれぞれに、ひどく、手痛く響いたようです。
この社会では「劣等者」として軽んじられているはずの春が、ほんとうはいちばんほんとうのことをわかっていたのではないか。そういう問いかけも込めての、ここしばらくの一連のエピソードでした。
幸奈にとってもおそらくそういったたぐいの意味あることだったと思います。いつか振り返ったとき、このできごとは彼女という「人間」にとって必要と思うかもしれません……。
今後の展開にも引き続きご注目くださいませ!!
春が、あまりにも春らしい。
今まで受けた彼や幸奈の痛みも、狩理の過去や苦悩も織り込んで。
春は「峰岸狩理という一人の人間」として、彼を見ている。
過去の自分を重ねて、人間である努力を投げ出そうとする彼を戒める。
作中の基準で言えば、旧時代的な価値観なのでしょう。
あまりにも優しくて、言ってしまえばお人好しの域。
けれどもこの心が、人間が失ってはいけないものだったのかなと。
そのように感じるのです。
それと、幸奈の狩理に対する態度と、最後の台詞。
とても人間らしく、彼女らしく、それでいてひどく優しい。
彼女もまた、春に近い性質を手に入れたのかな。
なんだか嬉しく思えてきますね……
作者からの返信
まさしくこのエピソードの肝というか本質は春が狩理のことを「峰岸狩理という一人の人間」として見ていたというところなので、ある意味で作者以上に的確な表現で言い表してくださって、嬉しいです。
春の行動はまったく合理的ではないのですよね、とくにこの社会において。
ですが、だからこそ、来栖春はアゲインの主人公たりえたのだと、このごろでは確信を深めております。
そして幸奈もまた、そんな春に影響を深く、最大に、
現在では唯一彼によって変化するほどに受けた、
だからやはりこの物語の「ヒロイン」たりえたのだな、と、すたーげいざーさんにいただいたコメントで、やっぱりそのように確信をまた一段とつよめました。
なんというか、みんな、南美川さんは人間でなくなることで成長して、峰岸さんも、南美川を人間であることを奪って成長して、もちろん春も、引きこもったあと母親の愛情の元成長して、南美川さんと出会うことでまた成長して、
誰もが苦しみながらも、藻掻きながらも、ちゃんと前に進んでいるって言うのが、すごくいいです、
作者からの返信
成長、そのように捉えていただいたことが、すごくこちらにとっても発見になりました。
みんな、進んでいるんですね。
すでにだいぶ分量のあるお話ですが、日々がんばって書いてますので、ぜひともラストまで見届けていただければ嬉しいです。どこに、いきつくのか。