第3話 弥生の手紙

日に日に厳しい寒さも和らぎ、春の陽気を感じられるようになりました。 あなた様におかれましては、ご健勝のことと存じます。


三寒四温とはよく言いますが、今年は二寒五温なのだそうです。いったい誰が言い始めたのか定かではありませんが、そういえば少し暖かいのかな、と感じることがあります。

風はまだ冬の寒さを孕んでいますが、日の光が春のそれなので、日中は場合によっては汗ばむほどです。

そろそろ春のコートに、変えねばなりませんね。


そうそう、近場の桜並木を見に行きましたら、幹が心なしか薄紅色に色付いて、「もうすぐ春だ」と、告げている気さえしました。

つぼみが付き、花開けば、もう春です。


そういえば先日お送りした紅茶は届きましたか。サクラをオマージュした、ベリー系のフレーバードティー。

湯温95度で、3分抽出すれば、甘く華やかな味と香りが口いっぱいに広がることと思います。

どうぞ、水筒にでも詰めて、あなたの桜の下で、ちょっとしたティータイムをお過ごしいただければ幸いです。ほら、好きなもののそばで、おいしいものを口に入れると、人は幸福を感じるでしょう?


紙面が尽きてきたので今日はこのあたりで。

花粉が飛散し始めたようですので、花粉症には十分お気を付けください。

またお便りします。


3月吉日。

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桜守に捧げる12の手紙 @yukiya724

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