本作の主人公、奈々美ちゃん。
かなり俗っぽいというか、男の判断が一昔前というか、かわいいのだけれど、何だか残念系。
でも欠点のある主人公の方が魅力的に見えたりもして……?
さて、本作はラブコメ系統ですので、主人公と対になるもう一人の主人公が存在します。
紹介しましょう。蒼井力哉くんです。
毒舌イケメン。事あるごとに毒を吐いて(というか、毒が溢れて?)、奈々美ちゃんを傷つけます(その度に驚異的な回復力で立ち直る奈々美ちゃんもすごいのですが……)。
けれどこの毒舌イケメン、心理学のテクニックにおいては右に出るものがいなくて……?
本作はこの毒舌イケメンが、恋に仕事に、役立つ心理学テクニックを披露してくれる恋愛×心理学の物語です。
当方、学生時代に基礎心理学(理論と実践でいう理論の方)を学んでいた身なので、正直、「心理学にはうるさいぞ?」という姿勢で臨みましたが、トンデモネタが多い心理学の世界の中でも、割と評価を得ているテクニックが中心だったりして、読んでいて「ああ、あのテクニックをこう使うか」と思うことが多い作品でした。
あなたも恋する技術……恋愛のテクニックを、本作を読んで学んでみては?
恋愛ものが苦手、という方も、力哉くんと奈々美ちゃんの繰り広げるドタバタコメディだと思って読めば、満足間違いなし。
是非、読んでみてください!
スマートニュースコンの作品ということで、「ある分野を学べつつ、小説も楽しめる」というコンセプトですが学びとストーリーの配分がどちらかに偏よることなくちょうどいい作品でした。
タイトルには「恋する心理学」とありますが、恋愛のみならず仕事やほかの実生活に役立つ心理学もあり「恋愛は間に合っている」という人にもおすすめです。
抽象的に説明するのではなく、登場人物が悩みを持ってくるので英会話番組のスキットのような具体的な分かりやすさがあります。
さらにストーリーはストーリーで目が離せないことになっているので、心理学を学ぶだけではもったいないです。
主人公の恋の行方を追いながら、複数の登場人物が恋や仕事に悩み悩まされるのを見ていくとまるで自分も恋愛相談所にいるような気になります。というか行きたいですが、月並区はどこですか?(笑)