感覚を奪われた闇の中で主人公の思考が、意識がどう変化するのかは氏の筆致を楽しんでいただくとして。
暗黒神話に慣れ親しんでいる読者であれば、すんなり状況が理解できるであろう、舞台装置。
掌編、という文字数は短い、というのではない。
全ての文字列が狂気を孕んだインパクトを持つならば、それ以上読むのは致死毒でしかない。
まぁ、主人公はあっさりと正気を手放してましたが。
読者もうっかり追随しかねない。気を付けないと。
これは復讐譚でもあり、食屍鬼譚でもある。
肉に食らいつく擬音がたまらなく愛おしい。ぞぶり。