第5話

「よし、完璧。」

「ようやく終わったぁ〜」

練習してから約1ヶ月、私はようやく1人前の医者兼看護師になることが出来た。その間、近藤さんには「殺す気か!」と何度も言っていた。

今までの医師の中で指導が1番厳しかった。

それは近藤さんが退職しなければならない時期が迫っていたからである。

近藤さんは別の勤務先を探す期間だったはずなのにその時間を削ってまで私の指導をしてくれた。

私は近藤さんが退職することをその日に初めて知った。

彼女は「今までの貯金で何とかなるわよ。」と言い残して行ってしまった。

相変わらずの近藤さんだったが、俺はそれから沢山の人を診た。

そして、近藤さんの正しい意思を継ぐただ1人の医師となったのであった。

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医学部付属樹木病院(仮) 囲会多マッキー @makky20030217

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