冬は作業が進まない

 私がバイクを弄ったりエンジンを組み立てたりするのは物置の一角です。この物置は電気が通っておりません。十一月あたりならまだ暖かな日が有るものの、十二月になると寒くて手がかじかんで動かなくなります。今シーズンは降雪が少なくて物置の整頓くらいは出来たけど、金属で出来ているエンジンを触るのは厳しかったですね。


 そもそもエンジンは常温で組む物であって、極端に扱ったり寒かったり名状態で組むと正常なクリアランスが保てないのです。まぁそれほど気にする部分じゃないかもしれませんが、手が冷たくて仕方がない。


 そんなこんなで十月辺りでクランクケース周辺の腰下部分を組んだところで作業は中断してたんじゃないかな? 作業が出来ないときは物置の整理をしていました。部品を整頓していると「あれ? もしかするとエンジンを一機組めるんじゃない?」ってなりました。


 エンジンに限らず機械ってバラバラだと場所を取ります。私がカブのエンジンを組む時は基本的にトランスミッションを三速から四速へアップデートしています。手度の良い部品を組み合わせていろいろやっていると不要な部品や使えなくはないけれど使いたくない部品が出てきます。


 そこでジャンクな部品を寄せ集めてエンジンを組んでみました。動かしたら不具合が出ること間違いないジャンク部品を組み合わせてプレスカブのミッションをインストールしたCD五〇のエンジン。欠品は無いけれどベアリングはゴロゴロとした手ごたえが有り、クランクベアリングも錆びて動きが悪い。チェーンが暴れたのかスプロケット周辺が削れたクランクケース。


 もしかすると悪い人ならネットオークションで数千円の値段をつけて「ジャンク・ノークレームノーリターンで」とかで出品しそうな代物が出来上がりました。


 ま、冬はそんな事をしながら休日を過ごすのでした。

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