使えないわけではないが、使うのは現実的ではない。

 間違って買ってしまったインジェクションのエンジンですが、使えないわけではないです。ただし『普通に使う』のは難しいかなと。理由は単純です。


 それは『キャブ車にインジェクションのエンジンを使うのは面倒過ぎそうだから作業したくない』から。仕事ならやるかもしれないけれど、趣味だから絶対にやりたくない。


 今回買ったのはリトルカブのインジェクションエンジンです。小説『スーパーカブ』で恵庭椎が乗っていたモデルがそうです。十四インチのタイヤを採用した少し小さなスーパーカブです。車体は基本的に鉄カブと呼ばれる旧来のスーパーカブと同じです。


 ホンダに限らずどのメーカーでも最初は様子見のモデルを出す傾向にあります。生産設備を一新するリスクの回避かなって気がするんだけど、小熊さんが乗ってる鉄カブから中国生産のカブへ移行するまでの何年か『鉄カブの車体にインジェクションのエンジン』な車体がありました。


 車体側の変更は最小限でエンジンや排気管を変えて排気ガス適合を済ませたスーパーカブがありました。それらに搭載されていたのが私が今回買ったAA02エンジンです。車体はAA01でエンジンがAA02、形式が違う理由は不明。


 エンジン単体ならネジ二本で取り付けできます。問題は各センサーやコンピューターなどにつながる配線やマフラーなどです。配線を全部交換して、マフラーを交換する。キャブレター車からインジェクション車への変更点を全部交換しなければいけません。理論上は出来ます。車体自体はほぼ同じなんだから出来ます。ですが、手間を考えると気が遠くなります。当然ですが費用も掛かります。


 中古部品が豊富(と言っても最近は怪しいが)なキャブレター車に対してインジェクション車はいまいち出物がありません。手持ちで部品が有るならまだしも、新たに部品をそろえるとなればいくらかかるやら。


 噂では燃料ポンプが十万円だとか、そんなもん買えません。


 そもそもエンジンと配線、さらにマフラーを交換する手間をかけるなら最初からインジェクションのカブを買うほうが手間もかからず完成度も高いってもんです。


 配線はともかく、マフラーが高価なんだよね。排気量をアップして原付二種登録しようにもボアアップキットは八八㏄の一択だし、噴射装置の一部も交換するみたいだから値段も高いし。どのみち私では何ともできなさそうです。


 とはいえエンジン単体だと改良された部品が付いていたり流用可能な部分がたくさんありますからね。そのまま使うのは無理っぽいですけど、インジェクションのエンジンは活用する予定です。

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