フロントホイールASSY入れ替え

 私がバイクの修理でよくするのが『アッセンブリー入れ替え』です。正式な呼び方じゃないかもしれませんので説明しますね。


「前側の足回りを点検したとき、タイヤだけでなくブレーキドラムも減っているのがわかりました。外して修理をすれば(リム交換は出来ないので外注するつもりでした)直ります」


 ところがタイヤを外してしまうと車体を移動させるのが難しくなります。タイヤとホイールは一旦元通りに組み直しました。


「物置の奥から車種不明のホイール&ブレーキパネルが出てきました」


 ブレーキパネルはカブの物ではありませんでした。ところがホイールはカブの物なのかそれともカブと共通部品だったのか、使えることが解りました。


「物置から出てきたホイールの方がドラムの摩耗が少なく程度が良いですね、こちらを使います」


 タイヤ交換の練習がてらタイヤを外したところ、リムに多少の錆びこそ在りましたがそのまま使えそうでした。そこでサビ止め処理をして、これまた物置で見つけた新品のチューブとリムバンドに新品タイヤを組み合わせたのが前回のお話。


「私は『DIY道楽 テツ』さんの動画を参考にタイヤ組み付けをしました。なお、動画の紹介はご本人から許可を得ています」


 今回はタイヤを組み付け『ホイールASSY』を車体へ組み付けます。


「ホイールを外すついでにブレーキ周りの清掃とグリスアップ、そしてブレーキシュー交換も作業します」


 まず最初にブレーキとメーターのワイヤーを外します。アクスルシャフトを抜いてブレーキパネルごとホイールを外します。


「ブレーキの清掃はエアーで吹き飛ばすのではなくブレーキクリーナーで洗い流します。掃除の前にブレーキシューやブレーキカムシャフトを外しておきましょう」


 昔のブレーキシューにはアスベストの含まれている製品が在りました。恐らく大丈夫だと思いますが念のためにブレーキダストは吸い込まないようにしましょう。古くなったグリースやブレーキダストを洗い流します。


「メーターギヤが外せれば水で丸洗いするところです」


 外せないのでウエスなどで養生をしてからブレーキクリーナーを吹きつけて掃除します。乾燥したらメーターギヤやブレーキカムシャフト関係にグリ-スを塗って組み付けます。


「ブレーキシュー表面にサンドペーパーをかけて面取りをしておきましょう。ブレーキ鳴きを軽減できます」


 ブレーキアームとブレーキカムのシャフトに有る合いマークを合わせて組み立てましょう。


「ウッカリずれたまま組んでしまうと、ブレーキ調整が上手く出来ません」


 完成したブレーキパネルは新しいタイヤを組みつけたホイールと組み合わせます。


「メーターギヤの凸とホイールの凹を合わせて車体に組みつけます。合わせたらサスペンションアームのボス(凸)とブレーキパネルの溝を合わせてホイールを取り付けます」


 アクスルシャフトを通してナットを締め、メーターとブレーキのワイヤーを取り付けます。


「メーターワイヤーはタイヤを回しながら押し込むとスムーズに取り付け出来ます。メーターが動いているか必ず確認しましょう」


 続いてブレーキの調整です。ブレーキレバーの遊び(レバーを握ってブレーキが効くまで)が一〇㎜から二〇㎜になる様にアジャストナットを左右に回して調整します。


「アジャストナットを右に回すと遊びが少なく、左に回すと多くなります……ん? 新品のブレーキシューなのにアジャストナットを目一杯締めないとブレーキが効きません」


 ブレーキアームを点検したところ、合いマークがスプライン一山ズレていました。しっかり点検したつもりだったのですが……。


「ブレーキアームを取り付けし直してフロントホイールASSY交換とブレーキシュー交換作業が終了です。細かな部分を除けば残る作業はリヤタイヤの交換だけです」


 ところがリヤホイールリムに錆穴が開いており、予算の都合で新品ASSYを買えません。ここへ来て作業中断です。続きはしばらくお待ちください。

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