それほど強化部品は使わない。

 今回はクリッピングポイントから強化セット(カムチェーン・クラッチ・オイルポンプ)を買いましたが、使うのはカムチェーンのみです。そもそも85㏄ならカブ90の遠心クラッチで十分でしょ? だってカブ90の純正部品で排気量アップするんですもの。だからオイルポンプもカブ90用を組んでいます。私は基本的に純正部品を使って改造します。今回のカムチェーンは強化とかはあまり考えてなくて、どうせ新品を買うなら強化品を入れてみようかな~くらいの理由です。


 オイルポンプに関しては『もう組んだからバラしたくない』ってのが本音なのはナイショだ。


 今回はテンショナローラーとか細かな部品はCFポッシュの物を、シリンダーのヘッドボルトは貯まっていたポイントを使ってキタコの強化品にしました。ジャンク箱にカブ90のヘッドボルトが無かったんだから仕方がない。ガスケットはホンダ純正品。手持ちに有ったのを忘れて注文してしまった。在庫管理をしっかりしないといけないなと感じると共に、記憶力の低下と老眼の始まりを感じる今日この頃。


 カブのエンジンってね、普通のご家庭に何台も転がってるもんじゃないと思うんですよ。でも我が家には形になってるエンジンが3台あります。整備済み(純正クロスミッションだけどロータリーシフトの遠心クラッチ)が1台、実動異音有り(知り合いのカブから下ろした)が1台、でもって部品取りで動くんだか動かないんだか解らない(ヤフオクで五千円)のがもう1台。車体(ゴリラとカブ)に積んであるのが2台。


 我ながら飽きずに何台も直すもんだなぁと呆れています。


 まぁともかく作業再開。タイミングチェーンを新品と取り換えて、ベースガスケットを入れ、オイルストーンで面を整えたシリンダーにシリンダーを挿入。


「ああ……リングコンプレッサーが欲しい」


 ピストンリングは爪で縮めながらピストンをシリンダーに挿入。もちろんオイルでヌルヌルにしてから入れます。これは男女の交わ(以下自粛)


「爪がボロボロになるんで作業後に切ります」


 シリンダーをセットしたらカムチェンガイドローラーを仮止め。ガイドローラーのピンはジャンク箱に何個もあったけど、今回は社外の新品に交換しました。最初のエンジンを組んだ時は純正部品にこだわったけど、今回は柔軟に対応したいと思います。


「今回は社外の部品を多く使います。いろいろ理由は有りますが、肩ひじ張らず気楽に楽しもうかなと。実験というか怖いもの見たさでもあります」


 今まで部品の注文を頼んでいた先輩が独立して忙しくなったのも理由です。京より10歳上の先輩がまさか独立するとは……。


「私が整備士だった頃、『段取り八分仕事二分』と親分格のメカニックに言われました。部品さえそろえば作業するだけです」


 わかっているのですが実行できないのが京丁椎。結局「~が無い」とジャンク箱を漁っては組むので思うように作業が進みません。オイル通路のOリングの内側に入る14.8㎜のスペーサーとか、ヘッドのサイドカバーを取り付ける長いボルトとかを「揃ってないやん、アカンやん」とブツクサ文句をたれながら見つけては掃除して組んでいきます。


 作業は進み、あとはヘッドカバーを取り付けて完成までもう少し。ふと『ヘッドカバーのナットはフランジ付きじゃなかったっけ』と思いました。用意していたヘッドカバーボルトは袋ナットでした。ところが何となく違和感を覚えるのです。そう、違和感は『感じる』ではなくて『覚える』らしいのです。


「はて、純正はどうやったかな?」


 次回はヘッドカバーのナットがキャップナットなのかフランジ付きキャップナットなのか悩む話になる予定です。

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