あれからどれ位経ったのだろう? 昇る朝日をいくつ数えたろう。
やっとこさ再開
生命の危機を感じる暑さが和らぎ、作業中の手を離せない時に限って腕や足にたかる蚊と戦い、蚊取り線香の煙にいぶされながら友人知人のバイクを修理する日々が終わりました。頼まれたバイクの修理はやったけど、自分のバイクは手つかず。マジで九月いっぱいは組立途中のエンジンを触る気がせなんだ。だってあついんだもの。
まぁ通勤に使ってるジャイロXの細々した修理や改善をしたり、久しぶりに乗ろうとしたゴリラがキャブからお漏らししたのを直したりしてましたが、そんな細かな事は置いておくとして数か月ぶりに『85㏄ロータリー四速遠心クラッチ』の作業再開です。
この数か月の間に思ってたのですが、カムチェーンを新品にするとエンジン音が静かになりますね。本屋さんのカブに載せたエンジンは程度の良いカムチェーンを使ったのですがこれが新品同然でシャキッとしてたんですよ。カムチェーンを変えていないエンジンに比べるとジャラジャラ感が少ないと言えば解りやすいでしょうか?
「せっかくなんで強化カムチェーンに交換します」
強化カムチェーンは各メーカーから出ていますが、どれもサイドのプレートが厚かったりブッシュが継ぎ目のないシームレスブッシュだったりするみたいです。多分だけど製造メーカーは同じじゃないかな。小規模なメーカーでチェーンの製造設備なんて用意できませんものね。そこで今回購入したのはクリッピングポイントの強化パーツのセットです。大容量オイルポンプ・ポンプガスケット・強化カムチェーン・強化クラッチのセットです。
「今のところチェーンだけあればOKですが、今後クラッチのパーツやオイルポンプが必要になりそうなのでついでに買っておきます」
そのうち別のエンジンを組む予感がするのついでに買っておきます。バラバラに買うより送料が節約できます。あ、クリッピングポイントさんは製品カタログも送ってくれるんですよ、しかもクリアファイルに挟んで。おかげで『大島サイクル営業中』に出てくるシャリィのマフラーが決まりました。
「部品が届くまでの間、シリンダーヘッドを組み立てておきます」
タコ棒とバルブコンパウンドを使ってバルブの摺合せをします。
「燃焼室に灯油で薄めたオイルを満たし、漏れなければOKとします」
吸気・排気ポートも紙やすり・リューターを使って凸凹を均しておきます。
「個人的にはバリを凸凹をさらう程度で良いと思いますが、時間と根性がある方は鏡面仕上げにしても良いでしょう」
吸気側のポートを鏡面加工するのはガソリンの霧化が悪化するから止めておいた方が良いと言う人が居れば、鏡面仕上げにしてスムーズに流れる方が良いと言う人もいます。鏡面仕上げしたうえでディンプル加工(ゴルフボールの表面みたいな凹)をすると抵抗が少ないとも言われています。どれが良いか筆者にはわかりません。ただ、鏡面加工されたポートを見ているとウットリします。
「時間は有るので丁寧に組みます」
もちろんバルブステムシールは交換、ヘッド当たり面はオイルストーンで面出しします。オイルストーンを出したついでにシリンダー上下も面出しします。
「ヘッドを組むついでにタペットクリアランスも調整しておきます。車載状態で無理な姿勢で調整するより楽な姿勢で調整できます」
さぁ、部品が届くのを待ちましょう。
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