　エンジン本体は一通り組み終わりまして、残りは発電の為のジェネレーター・フライホイールとエンジン上部２か所にあるタペットカバーを取り付ければ完成です。

　今回は４速ランプを点けたいのでプレスカブのジェネレーターを探してみました。運良く出品が有りました。コネクタが怪しいみたいだけど「まぁコネクタくらい交換すりゃええわ」と落札。数日後、届いてみて良く見れば画像に写らない所の配線がズタズタのボロボロ。オイル漏れが激しいエンジンから取り外したのでしょう。配線の色が解らない程オイルに染まっていました。何とかしようと配線を弄れば弄るほど折れて断線していきます。

「人間が作った物を人間が何とも出来ないはずが無い」なんて聞いた事が有ります。でも、このジェネレーターの配線を全部直す材料と技術が私には無いのです。ガッカリする結果となりました。でも、もしかするとこの先配線修理の達人に出会うかもしれないので残しておきます。手元に残ったのはジェネレーターにセットでついていたフライホイールだけ。このフライホイールだって新品なら１個１万円以上します。今回は３０００円でフライホイールを買ったと思えば安いものです。

　とりあえずジェネレーターは保留です。エンジン上部に付くタペットキャップを捜します。新品なら２０１８年現在で３００円くらいでしょうか。社外品で放熱フィンが付いた物が２個セットで１０００～１５００円くらい。今回はジャンクの寄せ集めエンジンなのでピカピカの物を使うのは勿体ない。そこでタペットキャップが入っているジャンクを狙います。

「もう『ジャンク』では出てこんのかな？」

　普段乗りのゴリラを組み立てた時に買い漁った『ジャンク』『部品まとめて』。あれから数年経った今となってはモンキー・ゴリラは趣味の対象なだけではなく、転売などの商売目的に代わっているみたいでジャンクはゴミみたいなものしか出ていません。中には新品で買える部品に新品より高い値を付けている出品者も居ます。

「おいおい、新品の倍の値段が付いてるやないか」

　恐らくパーツリストを持っていない素人さんが買ってしまうのでしょう。私的には業者がパーツを売る場合、新品の価格に１割くらい乗せるならパーツナンバーを調べる手間賃と納得しますが、倍の値段は無いと思っています。

「送料込みで新品より安い手を入れたら使える物が無いかな」

　そんな事を呟きながら見ていると、社外品のフィン付きキャップが出ていました。いっその事気分転換にこの手の社外品を付けるのも有りかと一瞬買おうか悩みました。そのフィン付きキャップの説明欄に気になる文章があったのです。

『旧車・当時物・CB４００F・モンキーに』

　モンキーと名車CB４００Fで同じ部品なのでしょうか？

　試しに『CB４００F　ジャンク』で検索したら１台分のタペットキャップが１０００円で出品されていました。８つで１０００円なら納得のお値段です。レストアされた車体から外されたものでしょう。

「モンキー４台分（８個）で１０００円。新品やったら１個４００円チョット。８個やったら３０００円チョイか。中古と思えば妥当やな」

　捜すと見つからないのがこの手の小物。新品を２個買うのと比べれば値段は張りますが、８個も一気に揃うならOKでしょう。何と言っても純正品。耐熱塗料が塗ってあるとはいえ、アルミ製ですから磨けばそこそこ光るでしょう。

　入札しましたが、全く競る事も無く終了。送料が少しかかりましたが無事に到着しました。凹みや削れが無い物を２個取り出して分厚く塗られた耐熱塗料を剥がします。塗料を剥がしてからは真鍮ブラシで磨いて２４０番から２０００番まで順番にサンドペーパーで磨いていきます。最後は金属研磨剤のピカールで磨いて仕上げです。２個磨くのに１時間以上かかりました。

　ちなみに何でも金属をピカールで磨いて光らせたくなるのを『ピカール中毒』って言うそうです。略して『ピカ中』。

　さて、エンジン本体の部品は一通り組みつけられて、あとは電気を起こすジェネレーターを取り付ければ完成です。

　ところが、ジェネレーターにも思わぬ穴が有りました。組み立ては続きます。