何十年も管理を続けて来たアンドロイドの視点で語られる、とある世界の終幕の物語。淡々と仕事をこなすラストミッションのクルーたちとのやり取りで少しずつ描かれるターミナルの経緯や、撤収の仕方が丁寧に創られていて物語に入り込むことが出来ます。そして入ってしまえばあとは、ターミナルと彼の最期を追わずにはいられません。興味を持った方は是非、この手軽な分量で体験できる彼らのラストミッションを見守ってあげてください。きっと素敵な読書体験が待っています。
AIは思う。永遠に知ることのできない、1Gの世界を。短編だけれど、本格的なSFであり、しかも心揺さぶる物語だ。