Episode1 平凡な日常
ピピピピ …ピピピピ…
目覚まし時計の電子音と共に目を覚ます。今日もまた平凡な毎日の始まりだ。いつも通り支度をして学校に行く。母の笑顔を背に
「いってきます」
と声をだした。感情のない挨拶に返事がかえってくることはなかった。
俺は平凡すぎる毎日に少し退屈さを感じながらも何も考えずにただただ平凡に生きていた。しかし、この平凡な普通の日常がどれだけ幸せでかけがえのないものだったかこの時の俺はまだ知らなかった…
「あぁ!
後ろに騒がしい気配を感じる。俺は途端に早足になる。
「おいおいおい!逃げるな〜!」
そう言って追いかけてくるのは幼馴染の女子の
「おぉ。海騎ーおはよー」
そう力のない挨拶をかけてきたのはこちらも幼馴染で1番の親友の
2人とはは幼稚園からの付き合いで親同士も仲が良く小さい頃からずっと一緒にいた。家が近いこともあり今までずっと一緒に登校してきた。ただ、最近は2人が来るのが遅いのでおいていくことにした。しかし毎朝こうして結季に捕まえられてしまう。
「ちょっと海騎!なんで置いてくのよー!ひどい!!」
「お前らがおせーからだろ」
いつもの通り俺は反抗する。
「はぁー!?あんたが早いんだろ!!」
結季が真逆のことを返してくる。
「早くねーよ!まぁどっちにしろ遅いよりは早い方がいいだろ!!」
俺の中の正論をぶちはなつ。
「何言ってんのよー!私たちを待つのは当然でしょ!私たちは3人で1つのグループなんだから!それに私は女子なんだから待ってあげて当然でしょ!?」
それに対し結季はいつも根拠のない言い訳をしてくる。よくもこんなに適当な自論を言えるものだ。
「なんだよ3人で1つって(笑)それに俺、お前のこと女子だと思ったことねーし!!」
と、俺がひやかす。
「はぁー!?私は正真正銘の女子ですー!ひどいことしておいて反省してないからあんた今日カレーパンおごりね!じゃ!お先ー!」
そう得意気に言い放って結季が先に走り出す。
「ちょっ!お前!待てよ!てか、お前も俺達のことおいていってるじゃん!」
俺は結季の背中にぶつけるように叫ぶ。聞こえてないように先に行ってしまった。まったく、意味のわからないやつだ。
「お前捨てられたな」
翔が笑いながら言った。
「なんだあいつは。」
そういいながら俺は小さく笑った。
これが俺の毎日。俺の日常。俺はこんな平凡すぎる、少し青春にも思える日常が結構好きだった。こいつらのおかげで毎日がそれなりに楽しいしこいつらが引きこもりのゲーマーになりかけていた俺を外に連れ出してくれて居場所をつくってくれた。だからこんなふうに喧嘩をしているが俺はこの2人のことが好きだったし、こいつらには感謝していた。
デスゲーム オトカ @otome_no_hana
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