うなさか
わたしの背はまだ低くって
うなさかのまるみは遠いから
とうてい手には撫でられない
それでもやっぱり柔らかそうで
ときどき指でなぞってしまう
うなさかは背中をほんの少し
あるかないかの具合で曲げて
遠く遠くに横たわっている
あまりにも遠くて
遠いからこそ
わたしはまるみを知ることができる
目蓋をこえて
うなさかの光りを想うことができる
うろこのある方々を
羨むことはほとんどない
あの方々はうなさかに触れることも
そのまるみを知ることもないのだから
目蓋をこえて
わたしの
ぴんと伸ばした人差し指の
まんなかをザワザワと震わすのは
あのうなさかのふるえる背中
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