炎色
君の口から漏れ出した
音が
わずかに
赤色をして
雑踏に赤を溶かしていった
それだけが確かな
午後二時僕らは授業をさぼった
君が赤色を言ったのだと
指摘したのだ
指をさして
ここに赤色が溶け残っていて
まだゆらゆらと
残響している
君が赤色を言ったのだ
赤色はいまだ君のものなのだ、と
君は目を閉じて
コカ・コーラの薄い
ラベルを投げ捨てた
それはまるで
風のように赤くって
炎のように不確かだった
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