朝日を見ている




狂ってしまえばよかったものを

いつまでも君と話していたから

もう朝日が昇ってしまったよ

君のことなんて忘れて

朝のことなんて忘れて

この夜に狂ってしまえばよかった


君の横顔は時折残酷にひかって

その光に誰もが惹かれていた


狂ってしまえばよかったものを

朝日が昇ってしまったのだから

帽子を被らなければいけない

そうして夜を出ていく

そうして君に出ていく

朝に踊ることはできないのだから


離れられなかったのはきっと僕の問題で

羽虫に似た正の走光性


狂ってしまえばよかったものを

そうしたら夢の中をどこまでも

あの人を追って行けただろうに

それなのにぼくは未だに君から

目を離すことも出来ずにいるのだ



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