ひとひとり

あのひとは今

あの日と同じ瞳をして

誰かの腕の中にいるのでしょう

私の心に灯をともした

あの日と同じ瞳をして


独りの季節はいつか

ひとつふたつの生を終え

冷たく乾いていくのでしょう

私とあの人、すべてのひとが

ひとつふたつの生を終え


人びとの群れに

あのひとの瞳を幻視して

声も匂いもぬくもりも

失くしたはずの他人ひとびとに

あのひとの瞳を幻視して

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