茶色い猫
雪の降る町で僕は、
茶色い猫を思い出す。
茶トラの背中と白い足をした猫のことを。
灰のように降り積もる雪の中を
恐る恐る歩いては
僕を振り向いてナォと言う。
それでも決して後戻りしようとはせず、
ひょいと角を曲がって見えなくなる。
白い足をそれより白い雪に染めて
茶色い猫はどこへ行ったのだろうか。
茶色い猫は今、
どんな姿勢で眠っているだろうか。
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