第5話

「うぐっ!?」

「あだ名で呼ばないよね〜?」

今俺がどうなっているかは想像がつくだろう。

――首を絞められてます。

そこに運悪く後輩が来て

「ママ〜まさか・・・」

「んなわけあるか!」

「じゃあ、なんで抱きついてるの?」

「俺が抱きついているんじゃなくて、西口が首を絞めてるんだっ!」

「あ、そうなんだ。」

「あ、そうなんだ。じゃねぇよ!助けろよ!」

「ママは身体が丈夫だから大丈夫だよ。」

「そうゆう問題じゃねぇだろ!」

「は?どこが?」

「首絞められてるんだけど・・・」

「で?だから?」

「・・・助けてくんないわけ?」

「仲いいんだね〜」

「仲良くなんかねぇ!!!」

「そうなの?」

「これを見てどこが仲がいいんだ!?」

「じゃれてるだけに見えるけど?」

「首絞められてるんだぞ!?」

「じゃれてるに入るでしょ。」

「お前、めちゃくちゃ腹立つ!」

「じゃあ、頑張って。」

「後で覚えとけよ・・・」

「話は終わったかな?」

「あぁ。」

「なら、あだ名で呼ばないな?」

「この状態から俺が抜け出せなきゃな。」

「は?」

俺はスルッと腕から抜けて、ついでに西口のお腹を殴った。

「いだっ!」

「せいぜい頑張りなさい。くちびる。」

「この・・・!」

そんな感じで2年、3年生となった。

3年生になったある日――

「それじゃあ、団体戦メンバーを発表する。」

「俺はもうダメだろうな。」洞内が言った。

「西口、伊藤、荘司・・・洞内。」

「入ってるじゃん。」

「ほんとだね・・・」

悔しいけど仕方がない。俺はほとんど練習にも参加出来なかった人間だからだ。まぁ、結果をいうとすぐに負けたのだが・・・。

――そして引退することになった。

それからは毎日のように受験勉強をしていた。

受験は無事に受かり、受験生ではなくなった。

卒業式の日――

「卒業おめでとう!」

「ありがとう。」

みんな笑顔で終わった卒業式であった。卒業した実感は湧かないが、様々な気持ちが頭をよぎった。

そして俺は高校へ進学するのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

卓球部のママの日常 囲会多マッキー @makky20030217

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ