15#その後の干潟
あの素晴らしい日々から一夜たって、干潟のあたりには、割れた風船や膨らんで浮いてる風船、萎んだ風船が散乱していた。
その後、その風船は、ハシブトガラスのジョイが巣作りに使ったり、清掃ボランティアが拾ったり、残りは干からびて土に還ったかである。
でも、カワウのレセにはまだあの青い風船を持っていた。もう翼の傷も心の傷もいえていた。やな時には、そのすっかりゴムが伸びきった青い風船に息を吹き込んであの時を思い出した。
オオタカのピムは干潟の仲間と大の仲良しになった。日ごろの挨拶は欠かせない。
みんな空に風船を見るたびにあのことを思い出していた。
干潟の野鳥達も
いつもの日々に戻っていった助太刀の野鳥達も
ドバトのポポ姉さんとその部下達も
スズメのチュンタも
カラスのジョイも
シラサギのロイも
ムクドリのムックも
そして・・・ヒヨドリのビアは相変わらず飛んでいる風船を見てはわれを忘れて追いかけていた。
~鳥と風船ものがたり~
~fin~
鳥と風船ものがたり アほリ @ahori1970
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