第1章 第4節 『無能』
ガヤガヤ
このクラスの人数は30人。他のクラスも同じくらいなのかな?
「ねぇ快斗。今日からの授業ついていけるかな?」
「今日から常用魔法を習うから不安なのか?」
「う、うん。」
「あれだったら俺が教えてやるから心配すんな!」
「ありがとう。あ、先生が来たよ」
「みなさん!おはようございます!今日から常用魔法の勉強を始めますが、今日はまず固有魔法を使っていただこうと思います!」
な、なん…だと…
「・・・」
「お、おい晴也。おもしれー顔になってんぞ」
「では、みなさんグラウンドに出てください!」
「雷属性の子は『ボルテン』、火属性の子は
『フレイム』、氷属性の子は『フロストン』、聖属性の子は『フラッシュ』云々カンヌン…」
「見とけよお前ら!逸材の力ってのを見せてやるよ!ボルテンッッ&フラッシュッッ!」
ズザーン!
「帝君!なぜ二つの魔法を使ったんですか?」
「そ、それは」
「あとで先生のところに来なさい。次の人どうぞー」
彼はバカなのだろうか
「次は快斗だよ。頑張ってね」
「ああ」
ブバーンッッ!
「フレイムでこの火力はすごい!皆さん!神童君に負けないよう頑張ってください!次、天津風君」
「せ、先生。僕、遠距離魔法持ってないんですけど…」
「何を言ってるんですか。そんなの人いるわけないじゃないです…か!?」
「持ってないでしょ?」
「た、確かに」
おい。聞いたか?アイツ遠距離魔法持ってないんだとよ。無能だ無能。その言葉ピッタリじゃん!
む・の・う! む・の・う! む・の・う!
「やめなさい君たち!」
「いいですよ。本当のことですから…」
「げ、元気だせって晴也」
「そうよ、シャキッとしなさい」
「落ち込まなくったっていいっていいって!」
「そ、そう…だね…」
「晴也くん。大丈夫?」
「雪乃さん…大丈夫ですよ。さぁ!みんな、クラブ行こっか」
「「「「「「失礼します」」」」」」
「いらっしゃい」
「晴也くん聞いたよ?無能って呼ばれてるんだってね?」
「う゛っ」
「やめなさい神奈護さん。天津風君、君は自分の固有魔法をどう思っている?」
「え?こんな使えない魔法でどうやっていくんだ?って思います」
「そうか。少し話を変えるが、この探偵団には、無駄に成績優秀者が揃ってるのがわかるかな?」
確かにこのクラブには成績優秀者ばかり揃ってるな。
「そして3年生のうち2人が君と同じ固有魔法を持っているよ」
「え!?本当ですか!?」
「ああ、あの神崎君は生成魔法、烏間君は身体強化魔法、そして私が時幻魔法の使い手だよ」
「せ、先生がですか!?」
「ああ。だから私たちが君に持っている魔法知識を全て教えよう」
「あ、ありがとうございます!」
「晴也君、神崎 脩矢だ。よろしくな」
「よろしくお願いします」
「君は生成魔法はどんな魔法だと思っている?」
「えっと、周りにある物質を使って戦ったり、魔道具を作ったりするものです」
「そうだ、だが生成魔法で作られた魔道具はほとんどが日用品となる」
「そうですよね…やっぱり使えませんよね」
「そうでもないよ。まだ理論上ではあるが戦闘用の魔道具も開発されている」
「え!?昔に作られたとされる『アーティファクト』と呼ばれる魔道具をですか!?」
「ああ、今僕はその戦闘用魔道具を作ろうとしているのだよ」
「本当ですか!?できたら見せてください!」
「いいよ、とりあえず試作品だが『マジックボム』っていうのを作ってみたんだ」
「どう使うんですか?」
「これには半自動的に魔力が貯められる鉱石が組み込まれていて、その魔力を解放して爆発を起こす。しかも純粋な魔力貯蔵機としても使えるんだ」
「凄いじゃないですか!」
「でも、一度魔力を解放すると二度と使えないんだ」
「だから試作品なんですね?」
「そうだ。要するに僕が言いたいのは生成魔法でも魔道具を作れば十分戦えるってことさ」
「教えてくれてありがとうございました」
「晴也。身体強化魔法は俺、烏間 幸介が教えてやろう!」
「烏間先輩よろしくお願いします」
「まぁ、俺が教えられるのは集中強化くらいだがな!」
「集中強化…どうやるんですか?」
「そうだな、うーん、よし!そこの壁に向かって好きな常用魔法を打ってみろ!」
「え、えっといいんですか?」
「いいぞ!やれ!」
「は、はい!『刺雷』」
バシュッッッ
「よし、今お前は手の先に魔力を集中させたな?」
「は、はい」
「それと同じ要領で身体強化をしてみろ」
「え、えっと、右手でいいかな?『エクエス』!」
な、なんだ!?右手にだけオーラが!
「それが集中強化だ!全体にかかる強化を一点に集める技だ」
「あ、ありがとうございます!」
「いいっていいって!次は先生に教えてもらえよ」
「はい!」
「時幻魔法にいくつかの種類があるんだ」
「どういうことですか?」
「例えば時を止めたり、時を巻き戻したり、時を進めたりできるり。そしてそれを使い分けることで、敵の攻撃を避けたり消したりできるわけだ」
「そのような現象を起こせるのはわかりますが、使うためにはやっぱり消費魔力が多すぎますよ」
「何度も使えばその分消費魔力も下がるから練習あるのみだな」
「そうですか」
「もうすぐ模擬戦があるだろう。そこで習ったことを全部活かして活躍してみなさい。他の皆さんも今日教えてもらったことを忘れずに頑張ってください!」
「「「「「「はい!」」」」」」
ガチャ
「ただいまー」
「おかえり」
「今日は後でご飯食べるから置いといて」
「わかったわ。お母さん、明日早いからもう寝るわね」
「うん、おやすみ」
「おやすみ」
「さて…作ってみるか!」
バチバチ バチバチ
「ふぅー。とりあえず一つできたな!模擬戦までに全部作らないと!」
模擬戦当日
「快斗が優勝だろうなー」
「確かに三属性全部持ってるからね」
「何があるかわからないぞ?そういや晴也、お前今回のために相当特訓したんだろ?」
「ま、まぁそれなりには」
「じゃあ、勝算はあるの?」
「まだ分からないな」
コイツらがどこまでま通用するのか…
「とりあえず順番だけ見に行こーぜ!」
「ふむふむ、僕が一番か…」
「「がんばれ(りなさい)よ!」」
「うん!」
『天津風 晴也くん、斎藤 裕太くん、グラウンドに来てください』
「いってくるよ!」
「お前は確か無能の晴也だな!勝ったな!」
「最後までわからないだろ」
「ほざいてろ」
『はじめ!』
「いくよ!」ダッッ
最弱魔導士の最強伝説 リグルシ @Rigulushi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。最弱魔導士の最強伝説の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます