快晴

幸せじゃないけど寂しくなんかなかった

冷たい夜風が今日も静かに吹いている

煌めく星空の下で大きく手を広げた

「今日もまた雲ひとつない快晴です」


幸せじゃないけど不幸なんかじゃなかった

春が来て河原の木に桜の花が咲いた

気持ちの良い晴れた空の下で大きく手を広げた

「今日もまた汚れなき快晴です」


満たされていたけど幸せなんかじゃなかった

あの日星に祈ったのは、決して叶わぬ夢だった

ビル風に吹かれて大きく手を広げた

「今日もまた星ひとつない快晴です」


空っぽだったけど決して諦めはしなかった

渡り鳥の姿が僕には僕を嘲笑しているように見えた

でも初めてじゃない

元に戻っただけだ

死ぬにはまだ早い。

あの日僕を嗤った渡り鳥に

もう一度、もう一度だけ立ち姿で言ってやれ

「今日も僕は快晴の為に生きているんだ」

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引っ繰り返す 文鳥 @buncho321

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