みなしごのマルガレータ

蒼鬼

みなしごのマルガレータ

 ジプシーの母親に捨てられ孤児院で育ったマルガレータは、画家のフィリップス夫妻の養子となる。

 マルガレータは夫妻の元で生まれ持った画才を発揮し、めきめきと頭角を現すが、孤児院出身と浅黒い肌の色のせいで友達は出来ず、アトリエにひきこもる生活を送っていた。

 そんな中町では年に一度の花祭りの準備で活気に満ち溢れており、特に花の精役の美少女グロリアは若者達から注目の的だった

 展覧会に向けた絵の構成に悩んでいたマルガレータは、窓からいつもその様子を伺っていた。

 花祭り前夜、グロリアが惨殺死体で見つかる。

 その体には獣の噛み跡があったので警察は野犬の仕業として処理した。

 その日を境に、教会の墓が荒らされるなどの不穏な事件が相次ぐようになる。

 グロリアが死亡して数ヵ月後、マルガレータは見事展覧会で大賞を取るも、日々のひきこもりが祟ってか、彼女の背は肩が前に出るほど曲がっており、顔は憔悴していたが目だけは輝いていた。

 大賞を受賞したマルガレータは、フィリップス夫妻から世話になっている画商のお抱えとなり、新作を求められるようになる。

 マルガレータは再びアトリエにひきこもる。

 その後、マルガレータのみならずフィリップス夫妻とも連絡が取れなくなった画商が彼女らの家に赴くと、フィリップス夫妻の惨殺死体を発見する。

 かのグロリアを殺害した犯人が夫妻を手にかけたと思った画商は、マルガレータの安否を確かめるべくアトリエの扉を蹴破り突入する。

 するとそこにはかろうじてかつての面影はあるものの、犬のような化物に変貌したマルガレータが、自らの爪で引き裂いた絵の前でパレットナイフで喉を突き自害していた。

 一連の事件はマルガレータが引き起こしたものだと理解した画商の足元には、マルガレータが引き裂いたキャンバスの切れ端が落ちておりそこには【ピックマン】という画家のサインが施されていた。

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みなしごのマルガレータ 蒼鬼 @eyesloveyou6

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