「○○してはいけない」と言われると、逆に興味が出てきてしまうのは、天邪鬼に限らず人間共通の性でしょう。
本作では「押してはいけないボタン」という点に着目しております。
そのテーマには多くの方が惹きつけられるでしょうし、かくいう私自身もその内のひとりであります。
しかし本作の真価は、優れたテーマを見出す作者の慧眼ではありません。
そのテーマから話を膨らませる作者の発想力・展開力こそが、この小説を魅力的にしているのです。
どこか親近感のある1つのテーマから、果たしてどこまで話が飛んでいくのかは、読んでみてのお楽しみという事で――
これからもイカあき様がその豊かな発想力を創作活動に還元してくださることを、一読者として願っております。