光の向こうのガーリャ

作者 まつか松果

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★★★ Excellent!!!

魔法使い見習いの少年が、親族である魔女の家で過ごしたある秋の日。

そこで出会った客人――「水晶魔女」と呼ばれる特別な存在の少女と交流をするうちに、やがて少年は少女に惹かれ、それと同時に「水晶魔女」という、魔女たちの間で崇められる存在がいったい何であるのかという、一族にまつわる秘密へと踏み込んでいく。

科学と魔法がせめぎあっていたレトロな時代を舞台として、そのような物語を主軸に展開する、淡い恋心と、いたずら心の延長のような冒険と、そんな慎ましやかながらも愛くるしい子供たちの姿を愛で――一方で、そんな子供たちの思いを容赦なく押し流そうとする時代の潮流に歯噛みする。

これは、そんな風に読者のことを心地よく翻弄してくれる、多くの魅力を抱えた素敵な物語です。

また、「水晶魔女」の美しい容姿や、色づいた秋の田舎の景色がまざまざとまぶたに浮かぶ情景描写と、その彩り豊かな世界のなかで、負けずに激しく輝く登場人物たちの心情描写とが印象的で、一話一話を読み進めるたびに、とにかく「美しい!」とため息が漏れる文章も、この物語を素敵なものだと思わせるのに一役買っていることは間違いないでしょう。

これはぜひ、趣味や好みの枠を越えて、様々な人に読んでもらいたいと思わされる一作です。このレビューを見て少しでも気になった方は、どうぞこの透き通った水晶に飾られたお話を読んでいってください。

★★★ Excellent!!!

魔法使い、魔女、水晶魔女、魔女一族など、多分に幻想的な名詞が散りばめられ、一貫してそこを主軸とするハイファンタジー。傑作だと思います。

本作の柱にあるのは水晶魔女という聞き慣れない存在ですが、この「水晶魔女」の設定(寿命、記憶、サイクルなど)がとても秀逸で理に適っており、キャラとしてもアイデアとしても、とても引き込まれました。
作品としての装飾も出すぎず隠しすぎずの素敵な加減。
多くの魔女(読者)たちに読んで欲しい作品です。