短編集なので、それぞれの話のテーマも雰囲気も色々なのですが、そのすべての根底には「銀」があるように感じました。 落ち着いた語り口、そして清新を思わせる文体のためでしょうか。銀の箔をきらきらと冬の朝に散らしたような光景が頭に浮かんで、しっとりと拝読させて頂きました。 話の中では、「たまとせい」「あかいまあるい」「手紙」が特に好きでした。