第10話 これから

男の胸元を見てすぐに誰なのか分かったが、それを口にする前に奈緒なおが話始めた。


 『お察しの通りそこで野垂れ死んでいるのは、うちのクソ親父だよ。こいつは、絶対神領域ゴッドガーデンを手に入れるためにこんなふざけたことをしたんだ。そんな作り話を信じて馬鹿みたいでしょ……。』


 「ゴッドガーデン?何だそれ?」


 「神の力が手にはいるって言われてる作り話。」


 「でも、そんな都市伝説聞いたことないゾ?」


そう天空が聞くと奈緒が答えた。


 『そりゃ、そうでしょ。作り話何だから。』


 「作り話って、もしかして誰かが作った作り話なのか?」


 『そうよ。母さんが、亡くなった時を見計らったかのように現れて根も葉もない作り話をしてきたの。でも、その時父さんは母さんの死のショックで精神を病んでた。だから、気づかなかったバカ親父はまんまと騙されて金をむしりとられ私たちを殺した。』


奈緒の話を聞いてなんとも言えない怒りや悲しみと言ったものが伝わってきた。

だが、天空がふと疑問に思ったのか空気を読まずに聞き返した。


 「でも、どうしてその人はここの地域だけ狙って殺人行為を進めたの?」


 「それもそうだな……。いったいどういうことだ?」


そんなことを話していると急にサイレンが鳴った。


 「な、なんだ!?」


 『あのくそ親父が!逃げないと爆破する!!』


 「マジかよ!?おいおい、やってくれたなクソ!!!!」


 『あと、そこで倒れてる……えーっと、確かあくあだっけ?生きてるから運んで!!』


それを聞いてみな驚いたが、立ち止まって確認してる暇はないので輝音が肩に担いで連れていくことにした。

階段をかけ上がり何とか澄海がいる場所まで走っていった。


 「ど、どうした、そんなに慌てて?」


 「はぁはぁ、説明はあとだ!兎に角、走れ!!」


そう言うだけ言って先を走り出す。

ビルから離れて5分程度しただろうか爆発音が聞こえて後ろを振り向くとビルが倒壊していた。


 「くそ、結局なんなのかわからねぇじゃねぇか!」


そういって龍神は、床に本を投げつけた。


 「───っていう小説書いてみたんだけど。」


 「いや、これ小説だったのかよ!?てか、どこからだよ!」


 「最初から最後のマジか!って龍神が言うところまで。」


 「マジか!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

絶対神領域 神無月燿 @dystopia_world

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ