緑あふれる美しい世界。たくさんの生き物が暮らす、豊かであたたかい世界。

 君は今、友人に囲まれ家族に守られ、愛しい人のそばで笑っているかもしれない。目に映るものすべてが色あせて見えて、孤独に震えているかもしれない。目指す場所に立つために、折れそうな心を奮い立たせている途中かもしれない。自分の理解者などどこにもいない、この世界に自分の居場所などないと、何もかも諦めているかもしれない。


 それでも世界は時を進める。様々な物語が無数に紡がれてゆく。


 存在を強く求められていたこと。

 君が自ら生きる道を選択し、命の限り輝いてほしいと願ったものがいたこと。

 君が笑っている世界を望んだものがいたこと。

 この世界の未来永劫の美しさを祈ったものがいたこと。


 忘れてしまっていても、刻み込んだ記憶を感じてほしい。

 叶えてほしい、最後に託した想いを。


 私には新しい役目が出来た。

 創り出すのではなく壊すのでもなく、ただずっと、

 

 見守り続けてゆく。


 これは君の物語。




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君の物語 湯野実 @yunoyunomi

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