9 『命の器』

僕の器は知れている

器に何を注ぎこもう

器に何を盛りつける

燦々とした太陽に玲瓏な月

陰陽のひかりに揺らされる

揺り籠に眠る赤子の笑みか


産まれ落ちてしまった僕らの命を


だけど僕の器は欠けているのさ

滴る命を受けるのは君の器だけ

二つの器で一つの命を包み込む


重なる姿は二枚貝

僕らは皆、二枚貝

奇しき模様は様々に

二つと同じ物はない

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