わたしときまりごと
おばあちゃんは、手を叩いて喜んだ。
まあ、女の子らしい。
おばあちゃんも、お母さんも、お父さんも、たぶんおじいちゃんも、女の子らしいってことがきちんと分かっている。
私も大人になれば、分かるだろうか。
選べるだろうか。
女の子らしいもの、こと、色。
こんなにも、世の中にいろいろなものが溢れているというのに、私が選べるのは、「女の子らしい」という範囲にあるものだけ。
それはとても難しそうだ。
でも、笑われるらしい。
わがままに思われるらしい。
変だと言われるらしい。
大人って、つまんない。
帰りの車の中で、何回連続、青信号で進めるか数えていたら眠ってしまった。
家に辿り着くころには、大好きな青色は空から消えてなくなり、憎らしい「女の子の色」の空。
やっぱつまんない。
お母さんの取り込んだ洗濯物の山から、ジーンズを取り出して履いてみた。
やっぱり私は、青がいい。
まだこどもだから、いいでしょう?
いまは。
あおいろ 村むらさき @muramurasaki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます