わたしときまりごと

 おばあちゃんは、手を叩いて喜んだ。


 まあ、女の子らしい。



 おばあちゃんも、お母さんも、お父さんも、たぶんおじいちゃんも、女の子らしいってことがきちんと分かっている。





 私も大人になれば、分かるだろうか。


 選べるだろうか。


 女の子らしいもの、こと、色。




 こんなにも、世の中にいろいろなものが溢れているというのに、私が選べるのは、「女の子らしい」という範囲にあるものだけ。



 それはとても難しそうだ。


 でも、笑われるらしい。

 わがままに思われるらしい。

 変だと言われるらしい。

 大人って、つまんない。







 帰りの車の中で、何回連続、青信号で進めるか数えていたら眠ってしまった。



 家に辿り着くころには、大好きな青色は空から消えてなくなり、憎らしい「女の子の色」の空。

 やっぱつまんない。




 お母さんの取り込んだ洗濯物の山から、ジーンズを取り出して履いてみた。


 やっぱり私は、青がいい。

 まだこどもだから、いいでしょう?


 いまは。

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あおいろ 村むらさき @muramurasaki

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