わたしとジーンズ

 翌朝、パジャマのままで階下に降りると、



 おばあちゃんとおじいちゃんのところにランドセルを見せに行きましょう、と母。


 ふたりとも喜ぶぞ、と父。



 「スカートを履くのは、いや。」



 ちらりと庭先を見ると、昨日履いていた、真っ青なジーンズが風になびいている。



 「ジーンズがいい。」



 ジーンズは今、干しているからダメだ、と父。


 おばあちゃんは、スカートのあなたが大好きなのよ、と母。



 おばあちゃんは、つまんない。


 私に、フリルのたくさんついたのや、床に引きずってしまいそうな長くて重いのや、ごわごわした素材のスカートをたくさん送ってくる。



 女の子らしくていいねえ。

 呪文のように、私を見ながら繰り返す。


 自分の作ったスカートばかり見ている。



 「スカートを履くと、どうして女の子らしいの?」



 屁理屈言わないの!決まりよ!きまりごと!と母。


 そうだ、女の子はスカート、男の子はズボン、きまりごとだ!と父。


 ああ、つまんない。

 きまりごとって本当につまんない。



 おまえは、本当にかわってる。わざと男の子が選びそうなものを選んでいるのか?と父。


 お願いだから、女の子らしくして、と母。



 女の子らしさってなんなんだろう?


 スカートを履くこと?


 「女の子の色」のランドセルを背負うこと?





 

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