最近のWEB小説の傾向についてちょっと思ってしまった話

最近のWEB小説を見ていて思ったのは、より一層序盤にガッとヒキが来る作品が増えてきている傾向があるなと思ったわけですよ。

良く言えば書く側がWEB小説に最適化しているというか。言い方を変えれば出オチが見える作品が多くなってるというかね。

正直言うと、タイトルと序盤の展開見て「おもしろそう!」と思っても、その次に来る感想は「いやでもこれ、本当に続けられるのか?」だったりするのが多いんですよね。

勿論、それが悪いって話ではなくて――

……その辺りの話は後で説明するとして。


例えば婚約破棄モノに限定した話をすると『婚約破棄された主人公がそこからどうやって相手を見返すか』という部分こそが読者が楽しみにしている部分で、その『どうやって』の部分がその作品を面白いと感じる最初のフックになるから色々と工夫して考えるんだろうけど、最近は婚約破棄モノも色々やられてきて面白いパターンは大体やられ尽くしたわけで、そこでガッツリと読者の興味を惹くにはかなり奇抜で派手な設定をぶちこんできて、タイトルにもそれをガッツリ入れて読者を釣るしかなくなってきているのは分かるんだけど、


「その設定、本当に2巻3巻、20万文字30万文字とか引っ張れるのか?」


って思っちゃう作品が最近は特に多い感じがするんですよね。

いや勿論、それを引っ張れるだけの技量を持ってる作家さんもいるけど、それでもタイトルの段階で出オチ感が凄いんです。

ここでちょっと今考えた例を出して話すのすら他の作品を連想されかねないからアレなんで、それすら出しにくいけど。

どう見てもタイトルから既に出オチな尖り方をしてる作品が多くて。確かに尖りすぎてるからめっちゃ気になるし、実際最初は面白いんだけど、その尖りすぎた設定を上手く活かし続けて物語を長く面白く展開するビジョンがまったく想像できないというかね。


ちょっと他には誰も書いてないであろう奇抜な設定を今ちょっと考えたのですが。

例えば『悪役令嬢がマグロ召喚術で一発逆転して没落を回避する話』があったとするじゃないですか。

(これは今パッと考えたネタなんで、もし似たような話が本当に存在したら申し訳ないです)

かなり奇抜な内容なんで興味が湧くかもしれないけど、主人公がマグロを最初に召喚して無茶苦茶奇抜な方法で問題を回避したとして、それで読者が「なんやこれw」と思ったところぐらいまでは奇抜さで『面白い!』を維持出来ても、その次に同じようにマグロを召喚しても読者の『面白い!』という反応は維持しにくいだろうと考える。

『マグロ召喚術』という奇抜すぎるフックで引っ張れるのはせいぜいそこまでで、問題はその先どうするかになる。

じゃあ『主人公がマグロ以外も召喚出来るようにしたらよいのでは?』と考えて主人公の能力を強化していくと、それはそれで普通のチート主人公と同じになっていって奇抜さが薄れ、最初に読者が期待した面白さの核が削がれてしまうはず。

そういうのがちょっと難しいわけ。


何度も言うけど、それが悪いって話ではまったくなくて、奇抜すぎて長期的にその作品を上手く続けていける気がしない……という感じがするってだけの話なんだけど。

本当にそれでいいのか? それを望んだのか? 感がちょっとするっていうかね。

勿論、最初から1巻完結とか2巻完結とか短期的な作品としてスッパリたたむ気でやってるのなら、それはそれで素晴らしいのだけど。

そういうのじゃなくて長くやる気でそれだと……みたいなね。


そんな感じにちょっと思っちゃうというか、こんなん言っちゃうのは老害っぽいなぁ……とか思いつつこれを書いているんですよね……。

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