小説家なら知っておきたい知識『レーザー盗聴器と電球盗聴器』
さて皆さんは『盗聴器』と聞くとどんなモノを想像するだろうか。
たまに見るテレビの企画で、盗聴のプロがアンテナを持って住宅街を歩き、盗聴器が仕掛けられている民家から盗聴器を外してあげる的な企画があるけど、そういった番組で出てくる、コンセントの中とか時計やぬいぐるみの中に仕掛けるタイプ盗聴器。
パッと思いつくのはそれだろうけど、実際のところ現代の盗聴技術はもっと進歩しているらしいのだ。
その1つが『レーザー盗聴器』
これは特殊な機械でレーザーを窓ガラスから部屋内に照射し、その反射光を観測して振動を観測。その振動から部屋の中の音を再現するという仕組みだとか。
窓さえあれば数百メートル先からでも盗聴が可能らしい。
そしてもう1つが『電球盗聴器』
こちらは去年、そういう研究結果が発表されたみたいだけど。
部屋の中にある電球が音の振動によって微妙に出力が変わるらしく、それを観測する事で内部の音を再現出来る、という盗聴方法になる。
こちらは内部の電球が観察出来れば盗聴可能らしい。
で、これを知っておけばどう小説に有効なのか、というと。
例えば現代を舞台にした小説で、主人公が国家権力とか巨大な組織を正面切って相手にするような内容だったとする。
諜報機関とか悪の組織とかね。もしくは警察とか軍隊とかでも。
ここからは想像だけど、恐らく現代のそういう組織のいくつかは、こういった盗聴手段を現実に使用していると考えられるわけです。むしろ紹介したような盗聴器よりもっと進んだモノもあるでしょう。
日本はともかく大国の軍や諜報機関ならほぼ確実にこういったアイテムを使っているはず。
と考えると、色々とストーリー的に制約が増えてきませんか?
という話です。
例えばですけど、最近読んだ、とある漫画。主人公が特別な存在で各国から監視対象になる、というストーリーなんです。
各国の諜報機関が主人公をマークして主人公の情報を得ようとするし、主人公はそれを警戒して情報を与えないように上手く立ち回る。
でも、その主人公は窓のある部屋で知られてはマズい話をしているし、それでも諜報機関には察知されていませんでした。
恐らくですけど、この漫画の作者の方はこういった盗聴器の存在を知らないのだと思います。
そういう事を分かって読んでいると、そこが違和感になるんです。
僕が現代の推理モノとかアクションモノを書くのが難しいなと感じるのはこういう部分。
警察やら軍隊などが実際にどういった能力を有しているのか完全には把握しきれないんですよね。
名探偵コナンが事件後すぐに解決する理由とか、金田一少年が陸の孤島に閉じ込められる理由もそのあたりに秘密があるのではないかと思うんですよ。
つまり、警察の捜査能力がどの程度なのか、一般人である作者には把握出来ないので、金田一のように警察をストーリーから排除するか、名探偵コナンのように事件後すぐに解決する事で警察が本格的に捜査をする前に終わらせるしかないのだと思います。
主人公を一般人にするならそんな感じでも別にいいんですけど、主人公を現代の警察官とか軍人、もしくは諜報機関エージェント等にした場合、何が出来て何が出来ないのかが分からないと結構難しい感じがするんですよね。
といったところで、今回はおしまい。
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