小説家なら知っておきたい知識『ホローポイント弾』

『ホローポイント弾』というモノをご存知だろうか。


ホローポイント弾とは、鉄砲に使われる弾丸の一種。

主に拳銃や狩猟用のライフルで使われる事が多く、生物に致命的な大ダメージを与える高威力な特性から各国の警察や特殊部隊などでよく使われているらしく、アメリカの一部の地域では民間人の使用が禁止されていたりもする。

そして『ダムダム弾の禁止に関するハーグ宣言』で多くの国の軍隊での使用の禁止もされていたりする。


………

……


という情報をネットで見て、そのイメージで『最強の弾丸』的なモノとして創作物に取り入れてしまう人がいるのではないか?と思ってこの記事を書いている。


結論から書くと、ホローポイント弾は決して最強威力の弾丸ではない。

単純に『貫通力を犠牲にして破壊力を上げる』仕組みを取り入れた弾丸なのだ。


その仕組みを簡単に説明すると。

弾丸の弾頭部分を柔らかい素材にする事で、着弾時に弾頭部分を潰し、キノコ状に変形させる事で標的への被害面積を増やすのがホローポイント弾だ。

(ホローポイント弾は大枠の分類なので、厳密には他にも様々なタイプがありますが)

つまり、標的への接触面積が増える事で弾が通り抜ける穴を大きくし、代償として貫通力を小さくする。

それは逆に言うと、生物のような柔らかい標的に対しては大きな被害を与えるものの、硬い物質などに対しては威力が落ちてしまう事になる。

とある話によれば、ホローポイント弾が厚手のコートを貫通出来なくて問題になった事があったとか。

そういう事例もあるらしく、決して最強の弾丸ではないので、創作物で使用する場合はその特性をしっかりと把握して、注意して使ってほしい。

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